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田舎ぐらし( 8 )


ー 土地柄 ―


( 机に座る。今日もまた陽がのぼる。)

  東京から田舎に越して来たのには訳がある。
一番の理由は 足立の2DKのアパートを終の栖にしたくなかったから。それで田舎に家を建てようと思い立ち、やりくり算段、住宅ローンをお供に夫婦二人でここにやって来た。今では大部慣れたが戸惑うこともまだまだある。

〇 郵便局
 「いらっしゃいませ~」がない。笑顔もない。仕事が遅い。先日ハガキを買いに行ったらカウンターの前に5~6人並んでいた。これまでの経験から、「これはだめだ。1時間かかる」と思った。それで帰ろうとしたら、前のおばさんが私の方をふり向いて「ここ、なんでこんなに遅いんですか」と言った。最近越してきたばかりだという。
 大手町の郵便局はまるで魚屋の店先みたいに活気があふれていたし、仕事はここの10倍早かった。

〇 百貨店
 スーパーだと思って入ったら百貨店だという。販売員がみんなマスクをしている。何年か前のことである。「なんでマスクなんかしているの?」と尋ねたら「予防です」と臆面もない。お客はバイキンか?。
 前を通ると「いらっしゃいませ」とつぶやく。目はよそを向いている。口の悪いのが “いらっしゃいませは、店員さんのひとり言” と何かの雑誌に書いていたのを思い出した。 
 その頃松屋や三越でマスクをしている販売員など見たこともなかった。

〇 自治会
 入会するしないは自由である。自治会は任意組織であるから当然だ。これまで会社で窮屈な思いをしてきた。やっと定年を迎えたというのにまた会長だ班長だと、ムラのオキテに縛られるのは厭だという方も多いと思う。
 関西のある地区では田舎暮らし〇〇か条というのを作っていて、その中に「プライバシーはないと思え」というのがあるらしい(全国町村会HP・論説)。田舎もいろいろである。住んでみないとわからない。

〇 玄関の前の野菜
 引っ越してきたばかりの時は玄関の前によくキュウリやダイコンが置かれていた。だれが置いてくれたのかわからない。そのうち見当がついてお返しに菓子など持って行った。ただ面倒であるし高くつく。顔を合わせるたびに断ったり、お返しを省略したりしていたら、段々持ってこなくなった。

〇 おばあちゃん
 近くに85歳になる農家のおばあちゃんがいる。腰がまがっているが働き者だ。畑でいろんな野菜を作っては、軽トラに乗っけてせっせと道の駅に運んでいる。トラクターも乗りこなす。うちは耕運機だから肩身がせまい。
 先日道で行き会ったら「あなたも道の駅に出したら?」とあおられた。稼ぐのは楽しいし、元気の元だという。おばあちゃん、“一人会社の社長”である。

              ( 次回は ー ハガキの値段が10倍! ー )
 


 
 
 

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