ー ハガキの値段が10倍! ー
「ハイパーインフレの悪夢」
アダム・ファーガソン著. 新潮社
・・・ハイパーインフレというのはお金の価値がひどく下がることらしい。
(6)で触れたが、終戦直後日本ではそれまで5銭で買えたハガキが2年後は10倍の50銭になった。(1銭=100分の1円)
先々、ハイパーインフレがやって来て、仮に米(コメ)も同じ調子で上がったとすれば、今10キロ2700円で買えている米が2万7000円出さないと買えないようになる。
ここで勘違いしがちなのは、ハイパーインフレが始まって値段が2800円、2900円と上がっていくと、「最近モノが高くなってきたわねー」と、モノの値段が上がっていると思ってしまうことだ。
そうではなくて、お金の方が値下がりしているのである。
お札がいっぱい道路に散らかっている。それを男が竹箒で掃いている。その写真をカバーに使っている本がある。つまり、お札はゴミだ。
困るのはコトが始まった時、自分の乗っている電車がはたして「モノの値上がり」駅へ向かっているのか、「お金の値下がり」駅へ向かっているのかとんと見当がつかないことである。
もしも「お金の値下がり」駅行きに乗ってしまったとすると、そのうち私も竹箒を持ち出して道路掃除をする破目になりかねない。今、2%のインフレが目標らしい。運転士がベテランでうまく2%駅で止まってくれればいいが、なかなかうまく行かない、というのが先人の戒めだ((6) 参照)。・・・
閑話休題
やはり、イモ作りに精を出す方が賢いのではないかと思う。イモ作りというのは食料自給のことである。どうせお金なんてイモを買うための道具にすぎない。先日ウォーキングをしていたら、家庭菜園をスコップで掘り起こしている親父さんに会った。こちらもイモ作りかな?と思った。手前味噌は承知である。
( 次回は ― おひとり様 その1 ― )