ー 春 耕 ー
家の前のボタン
茅が生い茂っていた畑に最初のスコップを入れてから1年超、なんとか畑の端まで耕すことができた。
茅の根は切れ端1本でも残したらまたすぐに増えると聞いていた。だから最初のうちはスコップで土を起こすと、それを四角いふるいに入れ、家内が向こう、私がこっちを持って揺すって根をより分けた。
気の毒に思ったのか、途中から耕運機が応援にやってきた。耕運機は土をかき回すだけで、根をより分けてはくれない。同じ所を何回も何回も転がし、出て来た根を松葉ぼうきで集めて捨てた。1日に1~2時間しかやらなかったので、畑の向こう端まで片づけるのに1年以上かかった。
茅の根と格闘している最中、自転車を止めて寄ってきた人がいた。「畑が茅だらけになったらどうしますか?」と聞いてみた。言下に、「あきらめる!」と返してきた。知り合いには「除草剤を使ったら?」と言われた。
やっと片付いた時、通りがかりのおばさんが「きれいになったねー」と言ってくれた。
やっと片付いた時、通りがかりのおばさんが「きれいになったねー」と言ってくれた。
夫婦してふるいを揺すっている光景はさぞ滑稽だったに違いない。
肥やしを撒き、耕運機で畝を立てたら畝が7~8本もできた。
そこへまず、サツマイモの苗を植えた。それからジャガイモ、ほうれんそう、ニンジン、スナップえんどう、そらまめ、インゲン・・・。いっぱい種を蒔いた。柿とみかん、それにゆずの苗木も1本づつ植えた。
・・・除草剤は出入り差し止めである。
除草剤自体が病気の発生原因になりうる。米国ではラウンドアップという除草剤を使ったためガンになったとして、訴えをおこしている人がここ数年で約10万人いるそうだ。ラウンドアップは日本で最も多く使われている農薬のひとつである。(2020.10.22 NHK 地上D011)
2020年、タイは日本でも広く使われている除草剤のひとつの使用を禁止した。禁止した国はこれまでに49か国になるという。(同上)番組からは除草剤の名前はわからなかった。。
除草剤、殺虫剤を含む農薬全体について、2020年に農水省が公表した資料がある。どの輸出先国と地域が、どんな農薬成分について、どういう残留基準を定めているか、というものである。
13の農産物が各品目ごとに1枚の表になっていて、横軸に17の輸出先国と地域、縦軸に農薬の成分が並んでいる。例えば、コメを見ると、タイ、グリホサート(除草剤ラウンドアップの主成分)、0.01mg/㎏といった具合である。
数字が日本の基準より低い場合は赤く色づけしてある。日本のグリホサートの基準は0.1mg/㎏であり、タイの方が低いからここは赤くなっている。
全体をみると、日本が残留農薬基準を定めている成分について、17の輸出先国と地域のほとんどが、13の農産物のほとんどについて、日本以下の基準を定めている。そのため各表の大部分が赤くなっている。(「諸外国における残留農薬基準に関する情報」農水省)国の消費者が厳しいと基準も厳しい。
(次回は ー 複合汚染 ー )