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田舎ぐらし(21)

― 複合汚染 ー


   町中に置かれた看板
   “予告”なのに、“済み”?

 「工場廃液や合成洗剤で河川は汚濁し、化学肥料と除草剤で土壌は死に、有害物質は食物を通じて人体に蓄積され、生まれてくる子供たちまで蝕まれていく・・・・・・。」(新潮文庫「複合汚染」有吉佐和子著 カバーより 一部抜粋)

 有吉佐和子著「複合汚染」はサラリと読んだだけでも、そのおぞましさは脳裡に染みついて離れない。

 不思議なのは、この本は出版されるや否やベストセラーとなり、現代でも刷りを重ねてロングセラーを誇っているというのに、世の中はひとつも変わっていないことである。例えば上掲の看板。少し前に、町内の歩道で見かけた。電柱に寄り掛かって臆面もなくあたりを睥睨している。

 人家の密集した町中に除草剤を撒いたのである。学童の行き交う歩道に撒いたのである。「この薬剤(除草剤のパラコートをいう。投稿者挿入)は人間にも有害で、ごくわずかでも誤って飲んでしまうと、呼吸困難に陥り生命を失うことも」ある。(「植物の体の中では何が起こっているのか」嶋田幸久・萱原正嗣著)
ー もっとも、看板からはもう撒いてしまったのか、これから撒くのかはわからない。これは学校の国語の教師の質にかかわる別の問題である ー。

 そういう土地柄、国柄であるからには、自分の健康は自分で守るしかない。だから、うちの菜園では除草剤は使わない。化学肥料もやらない。
最近、毎日のように食卓にイチゴが上る。甘い。この冬をビニールカバーもかけてもらえずに乗り切った、元気なイチゴである。


 ついでながら、イチゴはベランダでも作れる。買うのは一株で十分。一株植えたらたちまち5株、10株と増えていく。

               ( 次回は ー 車内で化粧する脳 ー )


 

 





 


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