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田舎ぐらし(158)

 ー キ ャ ベ ツ の 葉 ー

 

 菜園に少しキャベツを植えている。
このキャベツ、揃ってしまりがない。外側の葉っぱはまるで和服の帯がほどけたようにだらしなくまわりに広がっている。しかも虫食い。真ん中にソフトボールを少し膨らませたほどの丸まった葉っぱをつけており、それが辛うじて「私はキャベツです」と名乗っている。

 スーパーで大きなキャベツばかり見ていたから “ ソフトボール ” を見せられてもあまり嬉しくない。

 ともあれ “ ソフトボール ” を切るのは可哀そうだから、まわりの葉っぱを食べようと、2枚取って流しで洗った。まわりの葉っぱ、緑は濃いものの食べると少々固い。しかしそこは生来の貧乏性。虫食いだろうが、固かろうが気にしない。辛抱には慣れている。

 虫食いになるのは農薬をかけないから。
農薬は虫を殺すのだから人間にもなにか悪さをするに違いないと思っている。
 そう言うと専門家は一日摂取許容量といって、人間が一生涯、毎日食べ続けても安全だと考えられる量が設定されているから大丈夫だと言う(「農薬と農産物」坂井道彦 小池康雄 幸書房)

 こちらは、そうは言ってもそれは計算上のもので、実際100年かけてだれかに食べてもらった上での話ではなかろうと憎まれ口をきく。
 もうひとつ、健康によくないものは食品添加物やタバコや排気ガスなどたくさんある。たとえば食品添加物大好き人間と嫌いな人間の一日摂取許容量が同じなはずはないと追い打ち。

 たまに道の駅などでキャベツを買う。流しで洗いながら鼻に近づけるとクスリ臭い。これは普段無農薬の野菜を食べていないとわからない。キャベツはこんなものだと思っているからである。

 それじゃ、一体どうすればいいの? と言われそうだが、丹念に洗い流せばいいと思う。拙宅では流水で菜園の野菜は1回、買ってきたものは3回洗うことにしている。

 

 

  

 

 

 


 
 

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