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田舎くらし(195)

 ― 大事の思案は軽く ー

 
 
   「医者に殺されない47の心得」
          近藤 誠  アスコム

 “ 大事の思案は軽くすべし ” 。 佐賀・鍋島藩主、直茂公の教えである。
大事なことは日頃からよくよく考えておき、その時がきたら即座に決心できるようにしておきなさいということ。

 古今東西、大事のひとつに病気がある。
なかでも一番怖いのはがん。医療が発達したと言われる世の中で患者は一向に減らない。

 人間、怖いこと、厭なことはなるべく身近に置いておきたくないから、がんは他人事、自分はかからないと、理由にならない理由をつけて脇へ押しやる。

あるいは がんになったら病院へ行けばいい、と考える。

 この病院について少し前に目にした新聞の投稿記事がある。胃に進行性のがんが見つかり、その3分の2を切除、ステージ4,余命6カ月の宣告を受けた。
 退院すると食事は妹さんが作ってくれる朝のニンジンジュースと茶粥になった。あれから4年経ったが嬉しいことに日々穏やかに過ごしている旨書いてある。同年配の男性である。

 医者や役所は早期発見、早期治療が大事と毎年案内を寄こす。それじゃあ、と多くの人が検診を受ける。そしてがんが見つかりましたと言われる。この後は大抵入院、抗がん剤、手術・・・というお決まりのコースが準備されている。

 しかし、症状がなく、検査で見つかったがんはほぼ命を奪わない「がんもどき」である。本物のがんなら既に転移しているので、切除手術や抗がん剤治療は無意味だ。どちらにせよ放置した方がラクに長生きできるという医者がいる(「医者に殺されない47の心得」近藤 誠 アスコム)

 さてどうするか。みんながやっているように入院して医者に任せるか。それとも自分のことは自分で決めると腹をくくって放置するか。大事の思案だから今のうちによくよく考えておかないと直茂公に叱られる。


 

 

 

 

 

 

 
 

 

 
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