ー 認知症 50% ー
産經新聞 2024.5.9
2.3年前だったか、たまたま家の前を通りかかったご婦人がしみじみ、「認知症にだけはなりたくない」とおっしゃった。地方によっては認知症の人をふうけもん(風化者)と呼ぶ。風化者の方が何かしら情趣を感じる。
それはともかく、先日、 “2060年には高齢者のうち645万人、5.6人に1人 が認知症 ” という新聞記事が出た。第一面の大見出しである(産經2024.5.9)。
8日、政府が発表したこの推計の根拠は厚労省の研究班が福岡県久山町など4地域で65歳以上6,675人の有病率を調べた。その結果12.3パーセントが認知症だった。年代別では例えば90歳以上は50パーセントに上った。このデータを基に推計したのが、上の記事の数字である。
そう言われても「5.6人に1人」はまだ他人事ですませるような気がする。それに1960年まで生きている保障はない。それよりも問題は「90歳以上の50パーセント」が認知症だったという現実である。これは少々気になる。
どうしたら認知症をやり過ごすことができるだろうか。
暗闇の中に灯りが見える。上記記事によると同省の推計は2015年にも出され、2060年の推計は850万人だった。つまり200万人ほど減っている。
減った理由として研究班は喫煙率が下がっていること、生活習慣病が改善していること、食事や運動といった健康意識の変化をあげている。
それなら、タバコを止め、スーパーで出来合いのものばかり買ってくるのではなく、家で料理をし、野菜や魚をたくさん食べ、よく眠り、さらに週に3日くらいはウォーキングシューズを履いて町内を一回りすれば認知症にとりつかれないで済むかもしれない。
よく早期発見、早期治療というが、予防に勝る治療なし。