木の下で話しましょう

ソトコトとは、木の下で話しましょう、というアフリカ語源の福祉用語です。

ワル天国

2023-10-15 | Weblog

79歳の議長議員が会見をしている

身体異常なのか、かすれ小声でろれつが正常回転していない

聞きづらいのに加え不遜な態度で思わず初期の認知症かと疑ってしまった

質問をはぐらかし自己弁明に終止し微細な法律知識を振り回し自身の行動を正当化する

いわゆる精神障碍者によくみられる一人称でしか会話が成立しない例である

結果、相手、第三者には到底理解出来ないもどかしさが残り再度の質問をするも

わからない、記憶にない、と振り切る

当人はうまく逃亡したつもりかもしれないが介護従事者らには、ふむ、年齢的にも軽い認知症かも

と判断されるに至る

 

この国の法律、それに従順とされる政治関連者、特に重鎮と言われる役職付議員は、上記の例が多い

いわゆる、国民を見下げているのである

選挙時には国民に下げたくもない頭を下げ当選すれば国民の下僕であることさえ忘れ不祥事には認知症になる

 

性加害事件の件では、13歳未満であることを熟知しての犯行だった

芸能界は、売春、枕、麻薬、暴力団の組織絡みが常識の時代背景がある

天才子役、歌手らにはその能力以前に彼らの非一般家庭の生活環境があり彼らの入り込み易い温床であった

Jキタガワは、自らの性癖と重ねそれをうまく利用したに過ぎない

真言宗派に生まれた彼もまた幼少時の性被害者であったらしい

お稚児さんと称される制度のある日本では男子の性被害、加害は、日常的であり非難されることさえなかった

ネットで知る限り彼の利用者はほぼ13歳以降の子供だったようだ

黙認してデビューして人気者になった者たちは合意とみなされ彼らもキタガワを断罪出来ない

その関係者が被害者救済社長とは笑止千万である

現在は、16歳に変更されている法律は、被害者らの味方ではない

刑法で裁くには無理がありワルの高笑いは止まらないはずである

日本は性に寛容であり差別意識が根強くある

そして子供を重宝してさらし者にする文化はいかがなものであろうか

日本発のロリコンアニメ文化にも背筋が寒くなる想いがある

需要がなければ供給は発生しない

今回も英国からの告発で国連を巻き込んだが、物故加害者にはなんらの責任も問えず

相続人らは、わからない、覚えていない、で逃げ切ることだろう

 

被害者が曝され加害者の権利ばかりに重きを置く悪法律下では無理もない

TVニュ-スで加害者の顔に白塗りがかけられ逃亡したから通報せよとアナウンスしている

一方、被害者の顔は修正もせずに笑顔の画像だったりする

この国は間違った方向に突き進んでいる

無学な民の多かりしあの未開発な時代のままの法では、世界情報が簡単に手に入り

ワリと高識者の増殖したこの時代においては早く手を打たなければ隙間だらけの今の悪法では

したり顔のワルがこの国を真黒く塗り替えてしまうに違いない。

 

 

 


精神障碍

2023-09-22 | Weblog

名高い精神科医が地元で開業をしている

開院すれば行列の出来るすこぶる評判の良い医者である

患者は軽重に関わらず器質異常ではなく精神に異常をきたしている者ばかり

あまりの評判に全国各地から受診に来るので休日さえもままならなくなった

罹患とは身体か目に見えぬ精神、心の病のことらしい

やがて、過労とストレスが祟り医者は自身が精神病患者になり長期入院をする

あれから随分と刻を経たが一向に回復されないようで先般閉院してしまった

 

毎日、統合失調症60台の女性利用者を訪問している

彼女の場合、好き嫌いが激しくそれに執着する

会話は一方通行で自分の言いたいことだけ伝え相手の話は聞こうとしない

聞こうとしないのか理解出来ないのか尋ねたらわからないと逃避する

そして同言語を繰り返し言い放ち買い物レシートの裏に意味不明なひらがな文字を

繰り返し書く、書いたらこれで合っているかどうかを訊く

訂正したからみてくれと連呼しながら後追いをする

掃除、料理、洗濯中であろうとおかまいなしに同じ言語で攻撃しストーカーになる

 

暑いので階下にある販売機で缶ジュースを買い求める

毎日のシフトだが翌日には空き缶がダンボールからあふれ床に転がっている

45Lビニールゴミ袋に満杯の空き缶を捨てに行けば住居人が彼女でしょうと評判になっている

連日、販売機の前で両手に抱えながら買っているとの情報もある

当然、財布にも身体にも悪影響が出る

生活保護世帯なのだが、おかまいなしで好きな食物を買う

支給日前には金欠になる

それが気になるのか半月ほど過ぎたら「今、○○円しかないけど支給日まで足りるか」と心配をして

一日中、○○円を連呼して部屋にメモの紙切れを積み重ねる

掃除で捨てれば必要なメモだから捨てるなと絶叫する

 

糖尿病になり強制入院したが2週間ばかりで退院した

通常なら退院患者の見送りをするはずの看護師は、ひとりも居なかった

回復したのではなく手に負えなくての追放退院のようである

仕方がないので訪問看護師が週2回インシュリン注射を打ちに来る

流石にしんどそうにしているが、変わらず自動販売機の前に立つ

中毒性の立ちんぼうは、金欠になろうが入院させられようが治らない

 

明日も来て、あさっても来て、毎日来て、とせがまれる

私がシフトを決められるはずもなく否応なく入らされているのですが

彼女に説明をしても1ミリも理解されません。


介護モンスター

2023-04-07 | Weblog

朝から花散らしの雨が降っている

前方の公園の一本桜が濡れた舗道に花びらを降り積もらせている

良質な仕事のシフトが激減している

61歳より始めた仕事だが当初より利用者の質が悪くなったように想える

例えば家族が居れば入れなかったシフトが緩和されて増えた

どうやらこの国の法律は性善説らしいが、世界戦争勃発のこの場に及びなんとも間抜けな話である

万事がこの調子だからワルの高笑いが止まらない

面倒くさい介護は誰かにさせるに限ると逃避したはずがヘルパーの背後にねっとりと纏わりつき指図をする

鬱憤晴らしの悪質なイジメに合いヘルパーの立場と精神は破壊されていく

おまけに定期的なシフトではなく気ままなシフトで周囲を翻弄する

かかりつけの施設にさえ愛層をつかされ出禁になった

あまりのワルさに1ケ月に5名のヘルパーが辞めたりうつ病を発症した

違わずに私も1年ほどで限界辞退することにした

 

先日、偶然にワル娘(64歳)に出会い「もうウチには来てくれないのやね」と話しかけられた

よくゆうわ・・・・開いた口がふさがらないとはこのことである、幸いマスクでバレなかったけれど・・・

 

ワルらは口を揃えてのたまう

「高い介護保険料を支払っているのだから利用するのは当然の権利です」

ヘルパーらも下から目線ではっきりと言わせて頂きます

「私たちも物凄く高い介護保険料を支払わせて頂いております」

 

この国の無責任なワル増殖性善説は、世界の性悪説なのかもしれない。

 


期限切れ

2023-01-11 | Weblog

気が付かないで飲んでいた牛乳が2日前の消費期限切れだった

市販の牛乳は加工品ゆえに大した毒作用も無いに違いない

急いでネットで牛乳レシピを検索した

牛乳 400ml

砂糖 40g

卵   2個

バニラエッセンス 少々

タピオカ   適量

 

残された牛乳を計ったら丁度400mlである(奇跡ではないのか!?)

満面の笑みで鼻歌を歌いながら・・・

牛乳に味付け小豆缶を砂糖代わりに加え卵を入れ攪拌しタッパーに移した

それを蒸し器で20分蒸せば出来上がるらしい

材料を変更したせいか期限切れの凝固成分劣化なのかは不明だが35分ほど要した

大型木綿豆腐に似た小豆ミルクプリンが出来上がった

 

・・恐る恐る試食してみた

ま、こんなもんだろう

期限切れにこだわりなるべく早く食することにしよう

 

一晩置き、朝食に食べた

朝から甘いものは胸につかえたが一刻も早く完食しなければならない

これで食品ロスを免れた

それよりも安価に飛びつき無用な買い物をしないのが最善策ではある

幸い、今のところ食中毒にもならず嘔吐もせずに達者でおります。

 


あれから。

2023-01-02 | Weblog

机の本棚を掃除していたら2000年版の同人誌が並べられていた

連日、PCに向かい仕事やら無料映画ドラマの配信を観ているのだが「コスモス文学」誌の同人だったのさえ忘れてしまっていた

ぱらぱらとめくるとペンネームの長編小説が掲載されていた

50歳の頃に事実のみを曝した小説である

掌編、長編に応募していずれも新人賞を受賞しその作品は無料で掲載される

二度目の掲載からは有料で長編だと400文字原稿用紙、300枚で頁@1000円であった

掲載の度に30万円を支払うのである、編集部から毎月の投稿を依頼されたが貧乏ゆえに3回だけ掲載した記憶がある

手許に残されたのは読みたいという友人に贈呈したので2冊だけだ

あの頃のマイブームは読むよりも書くことで経理事務員の鬱憤晴らしをするために私小説だけを執筆していた

他に某出版社の無料出版本に応募して入選掲載された短編小説も並べられていた

 

久しぶりで読んでみたら自分でいうのもなんだけどなかなか読み応えがあった

自分の小説を読みながら身内の不仲不幸不運な争族場面では、ふと涙ぐんだりもする

その事件は未だに尾を引き未解決なままである

職場の様子が詳細に書かれ名前も実名、偽名を織り交ぜてあり忘れていた事務所を想い出した

今では仕事嫌いの上司も昇天し同僚らのその後もなにひとつ知らないが

小説掲載から5年後に事務所は解散閉鎖してしまった

朝、9時過ぎから読み始め気づくと11時前になっていた

 

あの頃は原稿用紙に鉛筆書きで漢字忘れなど色々と手間取ったものだ

編集部と幾度も推敲、手直しを郵送のみで打ち合わせた

時間をかけて完成すると安堵した、自分の小説が活字掲載されるのは確かに嬉しかった

掲載されると編集部に外国在住の日本人女性からの感想文が届き私に回送され帰国の折にディナーを共にしたりした

今の様にメール、ライン、携帯電話さえない時代である

そう、ポケベルとやらはありました

十年ぐらいは同人誌に在籍していたが編集部が東京から九州へ越してから間もなく退会をした

 

あれから20数年経ち、社会の構造、自己の生活環境も大きく変化した

あの頃の様々な不条理が身の置き所なきゆえの私小説のネタ提供事象である

独身女性には、戸建て住宅、マンションを購買することすら不振がられ許可されなかった女性蔑視の時代であった

男尊女卑の政治下でのモラハラ・セクハラ職場、生活環境は下世話な話ばかりで女性たちの苦悩は小説ぐらいでは語り尽くせない

現在は少しはマシで働きやすく住みやすくなったような気がする

 

これも運命とカウントダウンで残された人生を謳歌するしかないのだろう。

 


介護。。。

2022-11-10 | Weblog

ここにある食糧難の危機、もはや金銭の問題ではない不安がよぎる

まぁ~、私の生きてる間はそういうこともなかろうとタカを括っていたがそうでもないようだ

少ない年金は減る、物価は上がる、疫病が世界を巡る

仕事のシフトは減る、身体能力の衰えで事故が起こる

 

先日、95歳の婆様があれこれと指図をした娘が出勤した途端に

「長生きしてもえ~ことはないわ、娘に気を遣い足は不自由でひとりでは何もできない」

難聴ながら意識思考は冴え渡り、おっとり型と他言するわりに人使いは荒く先般も家政婦をひとりクビにした

支配的な性格は誰かに支配されれば立腹して言動が激しくなり第三者に八つ当たりする

その彼女が早く死にたいと願うほど嫁かず後家の娘はその若さ(65歳)をフル活用して支配する

お互いにそれぞれの愚痴を私にのたまうが、そんなどうでもえ~ことは他人の私が知ったこっちゃない

夕方、所用で娘が早く帰宅したので私は終了を告げ玄関のドアを閉めた

途端に、母親をののしる罵声が聞こえた

 

介護をしていると様々な人生を垣間見る

短時間だから耐えられるのだが24時間の介護での当人は昼夜逆転が多く自己保身のために殺意を覚えるのは理解できる

介護人のいない友人との常の話題は我々の遺骨の処理方法である。


品格

2022-09-10 | Weblog

英国の女王の国葬には各国からの出席が即時に発表された

一方、我が国の国葬は弔問外交ゆえに多額の国費でも利益を得られるとの見識のようである

日本がこのように浅ましい政治だとは私のような貧民でも理解していたがここまで下衆だったとは情けない

国葬に値する当事者の生き様がそうさせたのだろう

バブルの頃、ユダヤ商法がもてはやされ絶賛された、日本の国葬の当事者はそれ以上の曲者である

あろうことか宗教心の欠片もない団体に集金営業をさせてのうのうと長期政権を謳歌した

隣国の団体に国を売ったのである

 

英国にしろスキャンダルまみれの一族は歴史に名高い

しかし、与党政治家主導ではなくて国民が自発的に国葬祈願していると判断されるだけまともに違いない

今年は何でもありの悪運が漂い年が明けるまで油断ならない

災いが日本に飛び火しないことを祈るしかない。

 

 


まるで

2022-04-06 | Weblog

久しぶりに帰宅したら見知らぬ誰かに鍵を替えられたような気分になった

部屋の中に入ればなにもかも以前とは異なり真っ白けに塗り替えられていた

マメに更新しろとの嫌がらせなのかしら? 

 


しあわせかもな

2021-03-15 | Weblog

随分と更新しませんでした

昨年は休業状態の労働をコロナのせいにして部屋でごろごろしてました

そんな折にスマホのカラオケアプリで多数の変態に出会いラインなど楽しみました

最初は還暦前の男女でした

男性が、歌手志望だったらしい歌の上手い美人の女性に惚れてしまい四国から秋田へ恋の逃避行をしました

互いにフオロワーに気を遣い好意のないふりをしてましたがそんなウソはすぐに露見してしまいます

このふたりは毎日私に電話をしてのろけます

恋するふたりののろけ話を聞くぐらい腹立たしく不愉快なことはないと思い知らされました

当人らにもそのように説明しましたが燃え上がる炎は誰かに言わないと鎮火しないようです

どこが変態かというと女からの真夜中の電話と虚言癖、男の束縛癖、変態気味の合体癖、まだまだありますが

他人様ゆえあまりな事も書けません

それらを自慢たらしくいちいち報告されましたのです

彼女はマルチ商法の女王様のようで有名人らとの写真を自慢して勧誘します

懇意の男性は複数居て遠距離恋愛だとかきれいごとで隠蔽してますが営業だと思います

ある日、決定的な刑事事件模様の件があり彼らとはお互いにブロックし合う仲になりました

 

次に同時期に小児アスペルガーで乖離性人格障がいを患っている40代の女性と懇意になりました

彼女は薬物依存症で4年の刑期を終えて出所したばかりでした

恋人の不埒な発言で彼女の本来の人格は崩壊して死にたがる少女が出現して眠剤を多用し生死の境界線を彷徨います

最初の頃は、関東在住の彼女の安否が心配で眠剤服用の電話があると救急車の要請をしました

私のことをお母さんと呼んでました

経産婦ではないのでお母さんと呼ばれるのは抵抗がありますが昔よりなぜか会社でもお母さんと呼ばれてました

 

ひまなので毎日電話、ラインで生活状態やら身体容態やらを交換してました

彼女の話題は刑務所時代、AV女優時代、ファッションモデル時代、恋愛、反社との結婚生活、入れ墨、子供、孫、家族構成、

売人時代やらの際どい話ばかりでした

いわば犯罪のプロです、反社からの仕入れなので全国の反社が販社です(笑)

映画の世界のような気色の悪い話ばかりで背筋が凍るような思いで聴いてました

乖離が始まると、突然、声色が変わり話し方も性格も変化しました

一応、精神障がい者の介護もしてますからどうてこともありませんが、反社と繋がるのは抵抗があり面白がっている

場合ではありません

今年に入り、なぜか仕事の要請が多くなり彼女と遊べなくなりましたのでブロックしました

 

利用者様は98歳の独居男性でした

少しの認知症のようでPトイレで排尿しながら「あんたと〇✖がしたい」と言われ仰天しました

随分と生きて来ましたがこのようにあからさまに言われたのは最初でした

ご家族に告げると「親父、元気やな~」と呆れたような口調でした

それから約2ケ月、毎日通いました

独居が永いせいか偏屈なのか病気のせいかどうか医者にも「帰れ!!」と怒ってました

服薬用の水分のみで息づいていた昼に多量のタール便を排しおむつを交換し終えると震える両手を合わしながら

か細い声で「ありがとう」と感謝されました

 

翌朝、訪問するとご家族が明日からの相談をするために集合されていました

息子さんが大粒の涙をこぼしながら「親父が亡くなってました、よく頑張ったと思います」とうな垂れました

ベッドの顔を覗くと薄目を開け大きく開口して蒼い顔で息絶え冷たくなってました

生前に胸にかかる布団が重いので横にたたんでくれとよく言われてました

上半身が出て布団が跳ねていたので揃えて胸元まで掛けました

人は、突然、旅立つのです。

 


人を戀ふる歌

2020-04-09 | Weblog

人を戀ふる歌

 

明治38年7月6日発行の『鉄幹子』による本文 
(三十年八月京城に於て作る)

人を戀ふる歌

妻をめとらば才たけて
顔うるはしくなさけある 
友をえらばば書を讀んで
六分の俠氣四分の熱

 戀のいのちをたづぬれば
 名を惜むかなをとこゆゑ
 友のなさけをたづぬれば
 義のあるところ火をも踏む

 くめやうま酒うたひめに
 をとめの知らぬ意氣地あり
 簿記(ぼき)の筆とるわかものに
 まことのをのこ君を見る

 あゝわれコレリッヂの奇才なく
 バイロン、ハイネの熱なきも
 石をいだきて野にうたふ
 芭蕉のさびをよろこばず

 人はわらへな業平(なりひら)が
 小野の山ざと雪を分け
 夢かと泣きて齒がみせし
 むかしを慕ふむらごころ

 見よ西北(にしきた)にバルガンの
 それにも似たる國のさま
 あやふからずや雲裂けて
 天火(てんくわ)ひとたび降(ふ)らん時

 妻子(つまこ)をわすれ家をすて
 義のため耻をしのぶとや
 遠くのがれて腕(うで)を摩す
 ガリバルヂイや今いかん

 玉をかざれる大官(たいくわん)は
 みな北道(ほくどう)の訛音(なまり)あり
 慷慨(かうがい)よく飲む三南(さんなん)の
 健兒(けんじ)は散じて影もなし

 四たび玄海の浪をこえ
 韓(から)のみやこに來てみれば
 秋の日かなし王城や
 むかしにかはる雲の色

 あゝわれ如何にふところの
 劍(つるぎ)は鳴(なり)をしのぶとも
 むせぶ涙を手にうけて
 かなしき歌の無からんや

 わが歌ごゑの高ければ
 酒に狂ふと人は云へ
 われに過ぎたる希望(のぞみ)をば
 君ならではた誰か知る

「あやまらずやは眞ごころを
 君が詩いたくあらはなる
 むねんなるかな燃(も)ゆる血の
 價すくなきすゑの世や

 おのづからなる天地(あめつち)を
 戀ふるなさけは洩すとも
 人を罵り世をいかる
 はげしき歌を秘めよかし

 口をひらけば嫉みあり
 筆をにぎれば譏りあり
 友を諌めに泣かせても
 猶ゆくべきか絞首臺(かうしゆだい)

 おなじ憂ひの世にすめば
 千里のそらも一つ家
 おのが袂と云ふなかれ
 やがて二人(ふたり)のなみだぞや」

 はるばる寄せしますらをの
 うれしき文(ふみ)を袖にして
 けふ北漢の山のうへ
 駒たてて見る日の出づる方(かた)