ある晴れたお昼前の話です
信号待ちをしているとビルの一階にある安売り店の値札が目に入りました
たった今替わったばかりの信号は赤です
ビジネス街の休日は車も少なく誰もが信号無視で渡って行きます
桜見に行こうと家を出てからまだ数分しか経っていません
店の前に駐輪をして中へ入りましたが誰もいません
チョコレート、黒飴、チーズおかきを手にしてレジへ行くと店番の婦人がいました
その後ろに酒類がありました
春なのに夏日の今日、滅多に飲まないビールを飲みたくなりました
若い頃はいくら飲んでも酔いませんでしたが酒類はあまり好きでないので買ってまでは飲まないのです
馴染みのカラオケ店に行けば飲み放題、食べ放題、歌い放題、時間制限なしで3,000円です
ビールは薄めているから吐くほど飲んでも酔うことは不可能でした
舞台に上がり歌うと拍手喝采で一時期クセになり
仕事途中、終えてから、休日、結構な遠距離ですが自転車で通いました
思い起こせばコロナ禍になる前だから5年ほど経ちました
後期高齢者のマスターは生きてか死んでか・・・
それで棚のアサヒスーパードライ生というシルバーの缶を買いました
200円と書いてありました
定価を知らないので安いのかどうか?
たまに買うのはいつもエビスでゴールドです
「これは正月に仕入れたからすぐに消費期限切れやから150円でえ~わ」
みれば似たような年代で無造作な白髪頭で働き者なのか日焼けしてガングロです
「いくつなの?」
ぶしつけながら訊いてみました
「72歳、五黄の寅、性格がきついらしいわ」
「2月生まれやから牛と一緒に学校へ行った」
会話が昭和でババ臭かった
「ウチは全部消費税込みやから」
袋は無料で中へ入れてくれました
その日は桜が満開でおまけに桃の花まで満開でした
道端で伊丹から来ましたと中年の婦人が話しかけて来ました
「コロナ禍でなかなか出られないからJRに乗り花見に来ました」
「ちょうど見ごろでよかったですね」
では、お元気でと別れました
ビールを負けてもらった件を友人たちにスマホで吹聴しました
あれから10日経ちました
バッグを整理していたら財布の中からレシートが出て来ました
よく見るとう安売り店のです
普段はしないのですが捨てる前に内容を確認すると
なんとビールが2缶、150x2缶=300です
・・・故意なのか、間違いか、わからないけど・・・
してやられました。
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