子供の頃は田舎町に住んでいて、映画館へはバスで1時間くらいかかる距離。
幼い頃の最初に劇場で観た記憶は「長靴を履いた猫」。たぶんリバイバル。
あとは「ドラえもん」とか「E.T.」とか当時流行ってたジャッキー・チェンもの。
うちの親は映画館に積極的に行くほどではなかったので、せいぜいテレビの映画番組でヒッチコックもの、トラック野郎、寅さん、などを観るくらいしかなかった。
大きくなっても自分から映画を観に出掛けることもなく、映画は主にテレビで観るものでした。
高校生の頃はデートでいくつかの作品を観ることはあっても、あくまで「デートで映画を観る」程度だった。その頃観たもので印象深い作品も勿論あるけれど。
高校卒業して1年の浪人生活中のある日、親戚のおじさんから2枚もらったチケットが、大林宣彦監督の「ふたり」。
死んだ優等生の姉とダメな妹を描いたその映画を妹と一緒に観て、その温かで情緒的な世界が、美しい尾道の風景と重なって、また自分の境遇とも重なって、今まで知らなかった衝撃を受けたのです。気がついたら観ながらそれまでに無くボロボロ泣いていました。
偶然の出会いで観たその映画が、私にとっての「映画の世界の入り口」となったのでした。
その後大学生になり、積極的に映画館通いをし劇場でチラシをもらっては、その中で気に入ったチラシやポスターで予備知識なく映画を見ることが多かった。
その日々の中で出会った忘れられない映画が、チラシを観た時からすごく気に入っていた、古厩智之監督「この窓は君のもの」。公開最終日にやっと観たことを覚えています。
転校していく少女と、引っ越しまでの間隣家に住む同級生との高校生の夏休みを描いた青春映画。大事件が起きることもなく淡々と、でももうすぐ居なくなってしまう意識している相手とのやり取りと葛藤を描いています。
それまで主に観ていたメジャーの作品とは違う、爽やかでいて熱くもある、不思議な湿度を感じる映像と手法にすっかり魅せられてしまったのでした。
思えばその頃は若手監督が注目され始めた頃で、岩井俊二監督をはじめ橋口監督などの「新世代」の映画と、昔ながらの撮影所のたたき上げの「若手」監督の映画と両方を観ることができた、貴重な時期だったかもしれません。
もうひとり、その頃に夢中になったのが、これまたポスターに魅せられて観たリュック・ベッソン監督「レオン」。
何の予備知識もなく、それが一種ブームを呼ぶような作品になるとは思いもよらなかったのだけど。
ラストで壁の穴からマチルダを逃がす直前のシーンの写真だったと思うのですが、後に公開された「レオン完全版」でアメリカで採用されたのは、日本版初回版のポスターデザインだったそうで。その頃あまり洋画を観ていなかった私に観させるだけの力がポスターにあったのだなあと思います。
今でもそれほど多くはないけれど劇場で映画を見続けているのは、この頃のよい映画との出会いがあったからこそ。
しっかり胸の奥に焼き付いていくような映画に、これからも出会い続けたいものです。
幼い頃の最初に劇場で観た記憶は「長靴を履いた猫」。たぶんリバイバル。
あとは「ドラえもん」とか「E.T.」とか当時流行ってたジャッキー・チェンもの。
うちの親は映画館に積極的に行くほどではなかったので、せいぜいテレビの映画番組でヒッチコックもの、トラック野郎、寅さん、などを観るくらいしかなかった。
大きくなっても自分から映画を観に出掛けることもなく、映画は主にテレビで観るものでした。
高校生の頃はデートでいくつかの作品を観ることはあっても、あくまで「デートで映画を観る」程度だった。その頃観たもので印象深い作品も勿論あるけれど。
高校卒業して1年の浪人生活中のある日、親戚のおじさんから2枚もらったチケットが、大林宣彦監督の「ふたり」。
死んだ優等生の姉とダメな妹を描いたその映画を妹と一緒に観て、その温かで情緒的な世界が、美しい尾道の風景と重なって、また自分の境遇とも重なって、今まで知らなかった衝撃を受けたのです。気がついたら観ながらそれまでに無くボロボロ泣いていました。
偶然の出会いで観たその映画が、私にとっての「映画の世界の入り口」となったのでした。
その後大学生になり、積極的に映画館通いをし劇場でチラシをもらっては、その中で気に入ったチラシやポスターで予備知識なく映画を見ることが多かった。
その日々の中で出会った忘れられない映画が、チラシを観た時からすごく気に入っていた、古厩智之監督「この窓は君のもの」。公開最終日にやっと観たことを覚えています。
転校していく少女と、引っ越しまでの間隣家に住む同級生との高校生の夏休みを描いた青春映画。大事件が起きることもなく淡々と、でももうすぐ居なくなってしまう意識している相手とのやり取りと葛藤を描いています。
それまで主に観ていたメジャーの作品とは違う、爽やかでいて熱くもある、不思議な湿度を感じる映像と手法にすっかり魅せられてしまったのでした。
思えばその頃は若手監督が注目され始めた頃で、岩井俊二監督をはじめ橋口監督などの「新世代」の映画と、昔ながらの撮影所のたたき上げの「若手」監督の映画と両方を観ることができた、貴重な時期だったかもしれません。
もうひとり、その頃に夢中になったのが、これまたポスターに魅せられて観たリュック・ベッソン監督「レオン」。
何の予備知識もなく、それが一種ブームを呼ぶような作品になるとは思いもよらなかったのだけど。
ラストで壁の穴からマチルダを逃がす直前のシーンの写真だったと思うのですが、後に公開された「レオン完全版」でアメリカで採用されたのは、日本版初回版のポスターデザインだったそうで。その頃あまり洋画を観ていなかった私に観させるだけの力がポスターにあったのだなあと思います。
今でもそれほど多くはないけれど劇場で映画を見続けているのは、この頃のよい映画との出会いがあったからこそ。
しっかり胸の奥に焼き付いていくような映画に、これからも出会い続けたいものです。