「こういうのって、流行なのかしら」
猟奇殺人事件を追うサイコスリラー…って書くと、なんかありきたりな気がするが、本作では物語序盤ですでに犯人が捕まっている。
実はその後、犯人の精神へサイコダイブを試みて、行方不明の被害者を捜索するってところに、この作品がひと味違う部分である。
サイコダイブっていうか、精神世界へ入って人の内面を覗き見るっていうネタは、わりと他の作品でも見受けられる。
でも、この作品の映像は今までになく、かなり新鮮なものと私の目には映った(あくまでも当時の私の主観です)。
っていうか、なんかミュージックビデオみたいだな~、と思って調べてみると、案の定、監督はミュージックビデオ出身の人だった。
この辺の評価はどう分かれるのかな~
学生時代にも、似たようなテーマで議論したこともあるけど。
私的には「映画」と「ミュージックビデオ」って分けて考えるのには否定的。
むしろ、「映画」は「ミュージックビデオ」的映像をも取り込めるというのが、私の持論である。
(ついでに書くと、その「映画」的要素さえも取り込むのが「テレビゲーム」という考えなのだけど、それは本稿と関係ないので割愛)
ああ、それで肝心の中身の方だけど。
いわゆる、サイコスリラーに見られる、ストーリーを追っていくっていう展開にはならない。
なんせ、犯人はすぐに捕まっちゃうわけだから。
その後のサイコダイブした精神世界での映像とか倒錯した世界観を、どう感じるかってところだろう。
私は先にも述べたけど、新鮮な感じがして割と楽しめた。
映像を楽しむ映画。それはそれでありだと思う。
『ザ・セル』(ビデオ)
監督:ターセム・シン
出演:ジェニファー・ロペス、ヴィンス・ヴォーン、ヴィンセント・ドノフリオ、マリアンヌ・ジャン=バプティスト、他
評価:6点
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