「どいつもこいつも…ってわけにはいかないようで」
冷戦華やかりし頃のアメリカが舞台。米ソで宇宙競争を繰り広げていた頃のお話である。
といっても、アポロ計画より以前のことで、宇宙へ向かって有人ロケットを撃ち出すだけのマーキュリー計画までのお話なのだけど。
正直言って、最初の方はつまらなかった。
だが、マーキュリー計画が動き出し、政府がパイロットをかき集めるようになった頃から、私的にはエンジンがかかってきた。
計画が走り出した当初の、政府の会議が爆笑に次ぐ爆笑なのだ。
ハッキリ言って、このノリだけでも十分に私的にはアカデミー賞モノ。
とまあ、このへんはまでは私好みのイロモノ映画になるのかなと想っていたけれど、それからは違った。
ユーモアを織り交ぜながら、宇宙開発の現場でのドラマを巧みに盛り上げていく。
しかも、私が嫌いな『アルマゲドン』のような、ヒロイックファンタジー風に描くのではなく、等身大の人間として描いているところが良かった。
もちろん、『アルマゲドン』にはそれなりの良さはあったと思うけど、こちらの方が引き込まれた。
そういえば、この感想を書いていて気付いたけど、『アルマゲドン』とこの作品って、中盤まではわりと共通点があるような気がする…
それなのに私的な評価が、こんなに変わるなんて…
また、題材をマーキュリー計画の時代に置いているということもあり、現在となっては珍しい、ソ連への対抗意識がやたらと描かれているのも興味深かった。
しかも、朝鮮戦争が始まる前の1947年から、ストーリーがスタートしているので、なおさら新鮮だった。
私的には米ソ対立=ベトナム戦争ぐらいのイメージしかなかったので。
で、最後のラストシーンなのだが…
まあ、ネタバレする気もないので詳しくは書かない。
ただ、私的にはラストへ至る前のインタビュー部が、くどいというか説明的だったかなという気がしなくもなかった。
観客は彼がカッコイイ(色々な意味でね)っていうのが、すでに分かり切っていたわけだから。
ああ、それと。
エド・ハリスはNASAの管制室が似合うね(笑)
っていうか、もしかして、これも狙いだったのかな…?
『ライトスタッフ』(ビデオ)
監督:フィリップ・カウフマン
出演:サム・シェパード、エド・ハリス、デニス・クエイド、ジェフ・ゴールドブラム、他
評価:7点
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます