てつがくカフェ@いわて

てつがくカフェ@いわてのブログです。

彫金師 Chaser

2013-11-08 10:00:48 | 文化

こんちには。

 今回のてつがくカフェ@いわてのゲストDANさんは実は「彫金」をなさっているプロの職人さんです。

先日、「あの釜石で彫金をなさってる、アクセサリーデザイナーのDANさんですか?」とお問い合わせをいただき、改めて有名なお方なのだ、と恐れ入っていたところであります(※注 DANさんはフルーティストで、音楽活動もされていますがはありますが、本業は彫金師です。多彩な才能をお持ちの方でこの人の感性実際すごいです。絵もお画きになります)。

花巻でお会いしたとき、「(株)DAN」のパンフレットを一部頂いたのですが、宣伝用に紅茶の店「しゅん」に置いてきてしまい、うろ覚えなのですが、DANさんの家系は先祖代々彫金を生業としていたそうで、明治天皇に刀を献納したりしていたそうですよ。で、DANさんはフルート同様、独学で家に代々伝わる彫金技術の蔵書を習得しちゃうわけです。とにかく「あれがない、これがない」とお膳立てされてない環境に不満ぶーたれてないで、そんな無駄なエネルギーを費やす代わりに自分の想像力でなんでもつくっちゃう方なんです。アーティストなんです。

というわけで彫金という職業を知っていなくては失礼かと思い興味もあったので調べてみました。

彫金の歴史は古く、技法は古墳時代後期、渡来工人によって伝えられ、古墳時代の青銅器の剣や鏡などに彫られています。

 奈良時代の東大寺大仏の連弁に、毛彫りによる盧舎那仏坐像の彫刻が見られたり、平安時代の後期、武士階級が台頭すると、彫金は刀剣、甲冑金具に装飾として施されることが多くなりました。鎌倉時代には、仏教の広がりとともに、仏具や仏像、寺院の飾り金具が多く作られるようになり、彫金技法が施されるようになります。 室町時代に現れた後藤祐乗(ゆうじょう)は彫金中興の祖と呼ばれ、格式を重んじる作風が『家彫』として後世に残っています。江戸時代には刀剣が、実用品からデザインの面白さを競う鑑賞本位のものへと変化し、この時期に多くの彫金職人が現れました。精密な彫金作製の技術はこのころ完成したといわれます。

 江戸後期、公家出身の横谷宗(よこやそうみん)が、墨絵の筆勢ををそのまま鏨で表現した片切り彫刻の技法を生み出しました。その作風は、京都風の『家彫』に対して『町彫』と呼ばれました。これは刀剣ばかりでなく、煙管や根付にも用いられ流行となりました。明治維新の廃刀令で彫金の仕事は少なくなりました。

明治時代には、加納夏雄によって日本国内の金工が統括され、海野勝眠によって、目貫などの技法を用いた帯留め金具が制作され、華族・士族の間で愛用されるようになりました。さらに、政府主導で鋳金・鍛金・彫金の技法を統合した製品を製作し、輸出品並びに万博の作品を出品し、海外で高い評価を得ました。

従来から伝わる技術を応用して、現代へ彫金はしっかりと伝わっているんですね。

現在では彫金職人の数は少なくなってしまいましたが、自分だけの指輪やペンダントなどのオリジナルアクセサリーを作れるとあって、若い年代の方たちにも興味をもたれる方も少なくないようです。シルバーアクセサリーが流行し、ワックスからアクセサリーを作る技法が最近では主流となっていますが、彫金にはまねのできない”味”がありますのでこれからもさまざまな形で用いられていくと思います。

DANさんもfacebookで紹介しているように(こちら、代々受け継がれてきた宝石の修理に来られる方や、自分だけの思い出の一点ものをオーダーされる方もたくさんいらっしゃるようです。

彫金職人の数は少なくなってきているとのことです。その貴重な後継者のお一人が今回てつがくカフェに来られる釜石在住のDANさんなのです。すごいですね(加賀谷)。

 ※次回11月23日のてつがくカフェ→こちら

 


竹の解体ショー

2013-08-07 11:46:10 | 文化

今日から全国的にお盆明けまで猛暑が続くそうですね。

みなさんくれぐれも熱中症にはお気をつけてくださいね。

仙台は今七夕祭り真っ最中です。前夜祭の花火大会には50万人集まったそうで、私は今回は川内の宮城県営博物館の近くで見ました。

仙台七夕ですが、ことしは「つなぐ」というのをテーマに、和紙で作られた吹き流し、短冊をまとった青竹3000本、短冊一万3千枚などが定禅寺通りや一番町商店街などを飾り、推定200万人以上のお客さんを見込んでいるそうです。

仙台七夕祭りは洗練されてるのか動きがなく落ち着いていて、宮古産まれの鼻息荒い私としては、舟山車とかよさこい踊りとか、こう「うわ~」(→意味不明)といったものかないので、なんとなくもの足りないものを感じております。なんかやはり町をみこしとか山車が練り歩くのがDNAに刻みこまれているのでしょうね。といいますか、地域によって祭りに何を求めるか、その感覚は違いますからね。

私は「不幸な<意識>」の真っ最中20代後半、「労働とは何か?」というテーマを掲げ肉体労働をしに、新潟県佐渡市で住み込みで働いたことがあるのですが、そこでの祭りもすごかったですね~。みんな殺気だってるというか、アンタッチャブルな雰囲気のお兄さん、お姉さんがたくさんいましたね。あそこは佐渡金山が有名ですし、その影響で昔は遊郭街なんかも栄えていたそうで歴史的に非常に面白い所だと思います。

そして、なぜか「京ことば」や能文化が発達しているんですよね。。やはり政変で敗れて都から流された人たちがたくさんいたからなんでしょうか?

佐渡には「おけさ踊り」というのがあって、昔、囚人がお祭りのときだけ、頭を隠して踊るのを許されたそうですね。お祭りは、ハレとケのハレで、日常隠されたいろんな思いがカーニバル的に発散されますが、佐渡のお祭りの喧騒の中には悲哀というか、もの悲しいものを感じましたね。

さてさて、仙台七夕に戻りますと、つまり私は七夕自体は面白くなくて、その前夜祭の花火と最終日の竹の解体作業を見る方が好きなのです

すごい迫力ですよ~。あんな十数メートルもあるりっぱなぶっとい竹を男性の方何人ががりで声掛けしながら「ば~ん」て倒して、チェンソーみたいなので「ぐわ~」といっせいに解体するわけですから!竹の解体ショーです。

こっちの方が好きで今年も明日観に行きますよ~。使った吹き流しは、その後老人福祉センターや、病院などに寄付するそうです。

さてさて、もう少しでお盆ですね。

みなさんも里帰りなどされるのでしょうか?道中長い場合、車中で聴く音楽結構迷いますよね。

アリソン・クラウスはどう?と知人から教えてもらったのですが、これなんかいかがでしょうか?「ブルー・グラス」という音楽のジャンルがあるのを初めて知りました。(加賀谷)

http://www.youtube.com/watch?v=vaiT2ignyEc

 http://www.youtube.com/watch?v=zEzqL-18ml0


ギャル today

2013-08-06 18:52:22 | 文化

八木君のギャル界の一大イベントの記事を読んでいましたら、レポートの「ヘーゲルの<不幸な意識>」なんて、どうでもよくなって(笑)、ギャルのことを調べていました。

wikiで調べるとめちゃめちゃ面白いですね~。いいですね~。笑えます(→NG?)

1990年代の「コギャル」や「ヤマンバ」はついていけるとして、2000年代からの「マンバ」「ビビンバ」「白ギャル」「アルバカ」「キグルミン」「ロマンバ」「age嬢」とかが続々分化、進化?してって、これってすごい住み分けですよね~

そして「その他のギャルの傾向」の項の「ギャルみこし」!

何でもこの行事は大阪天満宮で開催されている天神祭で、このかつぎ手のギャルはオーデションで選ばれるらしいですね。

傑作だったのは、ギャルプロジェクトの「ノギャル」。この語源は「農+ギャル」で「ノギャル」。

これは、ギャルから実業家となった藤田志穂という方が、2009年より行っているプロジェクトだそうです。これは都心から地方に向けて農業を行う人材を育成するプロジェクトだそうです。このビジネスモデルは次第に定着しつつあり、実際にギャルを含めた若者の農業に対する認識・関心が僅かずつではあるが高まりつつある、とのwikiでの評価でした。

で、2010年には漁業版の「魚+ギャル」で「ウギャル」というのも登場したそうです!!宮古にも来てほしいです。

ん~。でもここまで社会派になると、ギャルの性質はどう変わってくるんでしょうね。

そしてギャルは安カワ(安くてかわいい)ブランドがお好きなそうで、その項には、J.Machreeとかユニクロ、ユザワヤなど挙げられていたのですが、なんとギャルは「しまむら」もお好き!そこを好むギャルを「しまら~」というそうですよ。

私もギャルに負けず立派なしまら~ですが、私にはここしか当てはまる箇所がありませんでした(笑)

ギャルといわれる方々は頭わるそ~とは思いませんし、逆に彼女たちのしゃべりを聴いてると、いろんな層の人と話していて、ボキャが豊富だし、コミュニケーション能力に長けている人が多いと思います。アパルト関係でお仕事されているギャル系のお姉さんはやっぱ話上手いし、近寄ってくるのが上手いし、適度な距離の取り方知ってるし(笑)、ファッションやお化粧が面白いので、こちら側が逆に聞いちゃいますもんね。

また私の場合、嫉妬とかそういうルサンチマン的なものもないですが・・・・たぶん、なんだろう。何か満たされてない感じが出てる人が怖いのかな~。そういう人だけではないと思うんですけど、綺麗でかわいいんだけど、何か過剰にしてて、「もっともっと」って聞こえるんですよね。若い時はみんなそうだろうけど。

とりあえず確かな事は、wikiで「ギャル」を調べるとホント面白いですよ~

とりあえず、「ギャル」と「不幸な意識」は結び付かないか・・・・いや、意外と結びつくかも。

(加賀谷)


映画『渡されたバトン~さよなら原発~』

2013-06-27 12:59:03 | 文化

 先日、ジェームス三木脚本、池田博穂監督の『渡されたバトン~さよなら原発』 を見てまいりました。
舞台は1968年夏、過疎化の進む人口3万人の新潟県巻町。出稼ぎ大工と行商で細々と食いつないできた、角海浜地区の地価が、なぜか値上がりし、その理由を「新潟日報」が北東(ほくとう)電力が原発建設を計画しているとスクープするところから始まる。

何十億もの協力金や補償金とそれに群がる推進派派、それに真向から反対するのは補償金を釣り上げることしか考えていない巻町漁協、純粋に放射能の不安から意義を唱える「五ケ浜を守る会」などの環境団体。

物語の中心家族で割烹旅館を経営している「五十嵐家」の中でも、父、3人の娘立場と彼女たちのパートナー(お寺の住職、検査技師、漁協)、役場勤務の息子の間でも推進派と反対派に分かれる。推進派の根拠はもちろん巨額の資金投下による巻町の経済活性であり、そこから不安を抑圧するような異様な圧力の「原発推進、原発安全」キャンペーンが繰り広げられる。

そこでは、象徴的な言葉が何度か語られる。「お国の政策だから従わないのは非国民」「お国が安全だというから」「事故が起こるか分からないのに反対するのは「被害妄想」などなど・・・・。推進派には「起こらない側」の方が正常な議論で、起こると考える方は「気違い」や「被害妄想」だと映る。

そんな時に1979年、スリーマイル島原発事故、1986年、チェルノブイリ原発事故が発生する。町民の意識は、原発への拒絶反応として劇的に変化する。

反対する人たちののそもそもの動機根拠は「原発」そのものの理解不足からくる不安。このまっとうな感覚を「非理性」「感性的」と切り捨てる推進派の思考。しかし推進派に非理性と揶揄されたこの感性的な不安や懐疑は当時明確な<言葉>を持っていなかったが、原発・放射能の勉強会、町民選挙や「折り鶴運動」など諸々の具体的な町民運動で、対立構造を逆転させ、最後には町民の勝ち取られた「理性」となっていく。

自身の論を阻害する諸要素や、起こりうる可能的な事態を「被害妄想」と思考停止し切り捨ててきた推進派の思考のほうが「被害妄想」であることが段々露呈していく過程が見物だった。何から大きく社会を変えるような、しかしながらまだ形となっていない<理性>の強力な運動は、既得権を持つ種類の理性に時として脅威的な非-理性や感性的なものと映る、そんな瞬間の蓄積された歴史を垣間見せてくれる、そして何よりも<フクシマ>へ想いを差し向ける、そんな映画でした。(加賀谷 昭子)

詳しくは以下のURLを参考に。

http://www.cinema-indies.co.jp/aozora3/index.php

 

 

 

 

 


音楽カフェについて!

2013-06-26 16:48:08 | 文化

先ほどの投稿で「音楽カフェ」の紹介をしていただきましたが、

僕が主催者の八木です。

o(≧ω≦)o 

プロフィールはこんな感じです。

「岩手大学農学研究科M2。音楽メディア・クッキーシ―ン、『BLACK PAST』『ビジュアルノベルの星霜圏』、地方新聞「岩手日報」、『ユリイカ』(鬼束ちひろ特集)に寄稿。東北を中心に音楽イベント『音楽カフェ』を主催。原稿執筆依頼などあればここまで→ lovesydbarrett80@gmail.com 」

ちなみにツイッターアカウント、FBアカウントはこちらになります(フォローリクエスト、フレンド申請などありましたらお気軽に)

Twitter: lovesydbarrett

FB:https://www.facebook.com/lovesydbarrett87/info?collection_token=100003635897037%3A2327158227%3A35

ヾ(o´∀`o)ノ 

音楽カフェではジャンル関係なしに最新の音楽をかけまくってますが、例えばこんなのをかけてます。

渋谷 慶一郎+東 浩紀 feat. 初音ミク 『イニシエーション』 http://www.youtube.com/watch?v=Vb2QIWvlzuw

Vampire Weekend- 'Horchata' http://www.youtube.com/watch?v=bkUQ-OBazbc

Owen Pallett - The Great Elsewhere http://www.youtube.com/watch?v=ZslepJpWZkw

Antonio Loureiro - Lindeza http://www.youtube.com/watch?v=6gGIHZu8pHA

Gretchen Parlato - Holding Back The Years http://www.youtube.com/watch?v=UUimaa__UgY

まぁこんな感じで超自由に音楽を楽しんでます。

ちなみに!

近々また音楽カフェが盛岡であります。

日付=7月14日(日曜日)
時間=13:00~16:00
場所=nutmeg(http://nutmegmorioka.wordpress.com/about/
料金=1ドリンク(ソフトドリンク=350円)

ですよ~~~。

はじめての方も気軽にお越しください、

内輪感とかも無いと思うので来やすいかと。

女性客ももちろんいますから、女性の方々もどうぞどうぞ。

というか女性が来ない、男ばっかりのイベントとかどんな内容だろうと端的にクズだと思うし、サムイですし、

そんなイベント、僕はやりたくないです。

僕が関わっているてつがくカフェもその辺は気を付けていきたいなと思ってます☆

まぁ「てつがく」とかやりたがるのってたいてい男ばっかりだよね~的な風潮は最悪だし、そういうことを諦め交じりに言う人も最悪だし、そんな国はたぶん滅んだほうがいいので、僕はそこには抗ってゆきたいなと。

あと、この音楽の良さがわからないのは、~をわかってないからだ、という文脈主義的な物言いを招かないような音源を選んでます(限界はありますが)。

なんか面白い音楽が聴きたいな~って人みんなに楽しんでもらえるような音源をチョイスします。

「自分は何も知らないけれど、この世界には自分の知らない美しいものが間違いなくあるということだけは知っている」と考えてる人には間違いなく喜んでもらえると思うし、何か美しいものの欠片を持って帰ってもらえると思います。

僕もそういう人間ですから。

で、この音楽カフェ。

僕は東北各地でやりたいんですよね~

ご協力いただける方は上記連絡先にぜひメールやリプライ、メッセージなどいただければなと。

以上です。

ヽ(。ゝω・)ノ☆;:*

(八木皓平)