先日ご紹介いたしました、花巻の本妙寺の法要で行われたDANさんのミニライブでのこと。
曲目は全部で4作品。
1、「命の花」
2、「命の証」
3、「生きる、生きる」
4、「ひかり」
だったかと思います(3のタイトルがうろ覚え)。
曲の合間のトークで、DANさんは一冊の本を紹介しました。
震災前、木村拓哉さんのお母さんが釜石を訪ね、公演をされた時に紹介された絵本だったそうです。
タイトルは『いのちのまつり』(草場一壽著、サンマーク出版)。
この絵本には自分の今ある命が両親、そのまた祖父母、そのまた曾祖父母、と、先祖様一人一人の顔の絵が広がっていくのを辿るパノラマ状の紙が差し込まれています。
そのパノラマ状の紙を拡げながらDANさんは、この事を考えると「感謝」という言葉が出てくるとおっしゃっていました。未だに復興が遅々として進まない現状に苛立ち、未来への閉塞感、不安、絶望がく心を塞ぐ時も多々あるけれど、このいのちの系譜を考えることで「生きなければ」という思いに立ち返るとおっしゃてました。
こんなにも多種多様な種(DNA)を引き継ぎ、いろんな豊かな可能性があるにもかかわらず、生きたくても津波でなくなってしまった人、生き延びても自殺という手段で自らのいのちを絶ってしまう人、そこにある「生死」に関する複雑な気持ちを語っておられました。
東日本大震災で亡くなられた方、全国計15.881人、行方不明者2668人、震災関連死2,688人(※2013年3月11日時点調査段階)
内閣府、警察庁によると自殺者の数、2011年(5月の時点)30,651人、2012年27,766人。
生と死。
そこにはわかりやすく二項に論理的に区別できる反対概念があるのではなく、生の中にすでに死が孕まれていて、死の中に生の要素が孕まれているような、そんなふうに生の要素と死の要素が入れ子になっている両義的な存在が人間のような気がします(加賀谷)。
※次回11月23日のてつがくカフェ@いわて-etcertra-avec DAN → こちら