近代建築撮影日記

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旧 日本セルロイド人造絹糸 外国人技師住宅(ダイセル異人館)

2017-12-10 00:41:18 | 近畿

年に2回程度、姫路市網干地区の文化財を観て歩くイベントが行われている。11月24日「網干ロマン街道めぐり」の一環としてダイセル異人館内部が公開された。
以前、『網干の近代建築』で旧日本セルロイド人造絹糸 外国人技師住宅 1として紹介した緑色の洋館である。

内部までじっくり観たのは初めてなので改めて紹介しようと思う。
建築データ(設楽貞雄/M43/木2/ひょうご住宅百選・姫路市都市景観重要建築物等・経済産業省近代化産業遺産)
撮影データ(カメラ:SONY α7・レンズ:Ai NIKKOR 20mm F3.5S(写真に☆印があるものはVoigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL IIIで後日撮影))

【外観】


縦と横を交えた板張りが外壁のアクセントになっている。



1階庇下、直線的に上部が細くなった四角柱が印象的だ。



2階には南向きの大きな窓がある。



建築中央には煙突が1本ある。煙の出口は4本あるように見える。


最近激減している丸い鋳物ポストがある。網干には4、5本残っている。


1階の大きな庇にはサンルーフがある。テーブルを置いてアフタヌーンティーでも楽しんだのだろうか。


サンルーフの明かりが窓に反射している。


なるほど、1階室内に明かりを取り込むためのサンルーフのようである。



シンプルながら洗練された扉のデザイン。

【内部】
玄関を入って1階

内部に入ると、曲線と直線で構成された扉の桟。手間をかけている。天井のライトも良い。


扉と桟のデザインは統一されているが、全て同じではないようだ。


入り口の近くに螺旋状の階段。すぐに2階へ行けるような導線になっている。
シャンデリアは新しい物に付け替えられているようだ。


口が塞がれているが、各部屋の建築中央側に暖炉が設けてある。
これが普通なのかもしれないが、煙突1本で済むように考えられているようだ。
煙の出口が複数なのは、各暖炉に割り当てられているのだろうか?


奥にトイレがある。右の扉は勝手口のようだ。


トイレ内部の天井ライトは玄関と同型。窓や扉のデザインは、各部で少しづつ変化を持たせてあるようだ。


奥の小部屋2つにはダイセル網干工場関連資料が展示されている。


小部屋の暖炉。


この階段を登って2階に向かう。


階段を上から見下ろして見る。


天井ライトは、玄関・トイレと共通。


これは、セルロイドのステンドグラスらしい。


手摺りのデザインが面白い。主柱は上が細い八角柱、束柱は上が太い四角柱。
奇妙なリズムの構成だ。


この建築の隠れた見どころである。

2階は大部屋が2つ

南側の部屋は窓が大きく明るい。暖炉は1階小部屋と同型のようだが、こちらの方が状態が良い。


電気スタンドの傘はセルロイドだ。


北側の部屋は展示室になっている。黒いキューピーは特に高価だといわれている。これを見に来る人もいる。


北側の部屋も暖炉は同型だ。


トイレ入り口の真上。各部屋の扉と桟のデザインが統一されている部分と違っている部分があるので、比べてみてほしい。


【おまけ】
あぼし一番街の入り口ゲートの黒い猿の正体を初めて知った。
今までキューピーだと解らなかったのである。

(この写真のみ使用レンズ:Zoom-NIKKOR-C Auto 80-200mm F4.5)



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