![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/bb/89410ef4b968e1cc25be68bcab89e0a9.png)
普段からいろんな語学系動画をみているけれど、これを見て思うところがあったので急ぎキーボードを取りました。
▼外国人にとって意味不明な日本語の文章が意外すぎる!
アメリカ育ちだけど、血縁的には日本人のケビンさんと、その大学の同級生たちの男子3人組グループ。仲がよさそうな雰囲気がとてもよくて、最近登録者数2百万人突破したくらい大人気の、おすすめの語学系チャンネルのなかのひとつです。
ほかにも、この方たちの動画では、いろいろおすすめしたい動画がたくさんあるけれど、今回は特に「訳すの難しいね」系の動画を紹介したくなりました。この動画がテーマにしていることは、とっても面白いし、私自身もいろいろ考えたことがあるテーマだったので、ネタにして文章を書いてみようと思いたちました。
翻訳の世界は奥深い。
まず私の書いた文章の一文目「キーボードを取りました」もちょっと意味わかりにくいし、外国語に訳すと全く違う文章になると思う。
この表現はよく日本語の文語で使う「~と思い、筆をとりました」みたいな表現の「筆」を「キーボード」に置き換えたのであって、言いたいことは「とある思いが募り、急いで文章を書きたくなったので、パソコンのキーボードを打つこととなりました」みたいな感じではありますが、長いし回りくどいので、こういう時は「筆をとりました」みたいな含蓄たっぷりだけど、短く表現したくなることもあるってわけです。
前にもネタにした「”進撃の巨人”は訳せない」という問題と相まって、今回紹介した動画のテーマはとても面白いです。いくつもの訳しにくい、または外国の方に説明するのはいろいろ大変、という問題を改めて深堀したくなりました。
実はあまりこういう話は大声ではしたくないんだけども、一時的に担当していたお仕事の話をいたします。
とある時期、会社の外国の拠点にいる、日本語ができる外国の方々のやりとりが1年近く続いたことがありました。私のポジションとしては、その外国の方々が日本の仕事を進めるにあたり、サポートする立場でした。
でも、そのお国っていうと欧米や英語圏ではありません。あまり詳しくは書きませんが、その外国の拠点の方たちのお国の母国語は、日本人にはなじみの少ない言語でした。当然、こっちはあちらの方々の母国語はほとんど知りませんので、あちらの方々に日本語を使っていただくという感じでした。
私はサポートする側の立場だったので、文字でも口頭でもすべてインターネットを通してオンラインでのつながりしかなく、一瞬だけ海外出張の話が持ち上がったものの、その時は例のお風邪のコロコロちゃんが大流行っていうことで出張の話は一瞬で消え、すべてパソコンのツールを使ってオンラインで行うっていうことになったのです。
彼らの日本語は100%正しくはないけれど、交流するに十分なレベルでした。メンバーの7割くらいは日本への留学や日本でのアルバイトを経験していて、日本に来たことがある人たちばかりで、私はサポートする側だったにもかかわらず、逆に、彼らの立派な語学力に常に助けられていましたw
私自身は、突然降ってわいてきた難しいお仕事をすることになり、いい意味でびっくりする日々でしたが、たまたま語学に興味があったから良かった、という程度ではありますが、彼らの正しくない日本語を日々、やんわりと矯正する日々を送っていました。
そんな中、上記で紹介するこの動画の示すところは、まず初めに「日本語ってムズイんだな」っていうことを再認識していることだと思います。
海外拠点の方たちと一緒にお仕事をして、(今ではお仕事では一緒ではなく、単純に仲間として個人的にLINEでたまに交流する程度ですが。日本語でw)私自身も、日本語についていろいろと考える日々を送っていた時があったのです。(もちろん彼らの母国語もちょこっとかじったりしていました。)
実は「日本語には主語がそもそもない説」っていうのがあります。
一見、「~は」でいうところの「は」は、主語として教えられてしまうところがあるけれど、それは英語教育の弊害で、実は日本語の「は」主語ではなく、「主題」である、というのです!
日本語について深く考えることがお仕事の時期があり、(今ではそこからは解放されているのですが)海外の方でよくあるのが、助詞が抜けてしまったり、そのために微妙に不自然な言い方になるということにつきます。
ここの部分の説明には本当に苦労しました。いまだにそこは、しっかりと説明しきれておらず心残りの中の一つになっていますが・・・。実は、日本語の「私は~」の「私」は、主語ではなく、テーマなんです。
っていうか、そういう説があるのです!
それを踏まえたうえで、上記で紹介した動画を見ると、なるほど納得、となると思います。
最初のほうでテーマにしている「私はオレンジジュース!」っていう変な日本語の話。
ここでいうところの「私は」は「私が注文するものは」の略ですね。つまり少し大げさに言えば、自分のターンでお話をしています、いま私のことについて話すんですよ!と、主題である私、を表現するため「私は~」と言っているのであって、オレンジジュースに対しては主語じゃないし、別にあってもなくてもよいのが、日本語の「私は」なんです。
だから、日本人であまりにも「俺は」「私は」を連呼している人を見ると違和感が生じてしまうんですね。
特に英語圏では必須の主語も、日本語では必要ないから、英語風に言おうとすると、常に違和感だけが生じてしまい、コミュニケーションにも影響してしまう。そんな、何気なくてとても深いのが、「私はオレンジジュース」問題なんです。
これはその界隈では、昔ちょこっと勉強したところによると「象は鼻が長い」というセンテンスが有名なお話です。
この時の「象は」も主語じゃなく、象がテーマの話ですよ、の「象は」です。
「象についてなんだけど、象って、鼻が長い生き物ですね。」と言いたいわけで、それを端折って「象は鼻が長い」というセンテンスになる。
話がすこし長くなったけど、人と一緒にいて区別したいから「私は」と言う。けれども、日本の普通のコミュニケーションでは、あまりに「私は」と言うと「自己主張が強い人だなぁ」と感じます。
不思議ですね~。
ここら辺の話を海外の拠点の人たちに、あくまで余談として説明しようとしたことがあったけれど、パワポまで作って説明したりしても、なかなか思うように理解してもらえず苦戦した過去を持つ私です💦
私には日本語教師は向いてないのかもなぁと落ち込んだものでした。(いえ、全然日本語教師じゃないけど!)
だから上記で紹介した動画を見たときに、思わずネタにせずにはいられなくなりました。
いやぁ~。訳せない日本語の世界は、とても面白く興味深いですね!
逆に外国語にもそういうのがたくさんあるから、そういう異文化コミュニケーションの話は尽きるところがありません。
面白いから、また何かネタにできる話があれば、ネタにしていきたいと思います!