僕の好きな芸術家の一人である舟越桂の展覧会がメナード美術館で開催中です。
舟越桂は、近年国際的評価の高い、村上隆、奈良美智、千住博よりも先に国際的評価を得ていた彫刻家です。
今回の展覧会は、1979年から今日に至る140点の木彫作品の内23点の作品と制作のためのデッサン画やオリジナル版画に作家の個人コレクションなどが並ぶ中部地区では初となる個展です。
制作の原点ともいえる楠に彩色された妻の肖像。90年代の静謐かつ情感あふれる人物像。そして、2000年代から幻想的で詩情あふれる世界へと、あたかも森に佇む人々との出会いを巡っているようでした。
副題にある「永遠をみるひと」は、舟越の作品の特色である眼であり、木彫の温かみの質感に着色された透明感のある人物像が醸し出す独特な空気を感じました。
今回の展覧会は、制作の際に出る木っ端を使って子供たちのために作った、玩具やドールハウス、絵カードなどのプライベートな作品も展示されています。
また、作家自身が選んだメナード美術館のコレクションコーナーもあり、今までにない特色的な展覧会になっています。ご家族で一緒に楽しめる部分もある展覧会です。
メナード美術館が開館25周年記念展として精力を注いだ展覧会。ぜひご観賞ください。