先日、サザビーズオークションでドイツ現代美術の巨匠、ゲルハルト・リヒターの抽象画が27億円で落札されました。
現存作家では、最高の落札額で、この作品の出品者がエリック・クラプトンであったことでも話題を呼びました。
2chあたりでは、この作品に対して酷評していますが、絵画の変遷における抽象画のカテゴリから観れば現在においては当然の結果なのかもしれません。ただし、好むと好まぬに関わらず、この作品が美術史に刻まれることは間違いの無い事実です。
こうした現代アートの作品をどう評価するかは難しいところです。アートに関わる僕としても、どう評価すればいいか迷う部分はあります。単純に考えれば、絵画も需要と供給の関係にあることです。こうした作品を好み、評価し、購入する人がいるからこそ美術オークションは成り立ちます。
むしろ美術コレクターとしても有名なクラプトン氏が(僕自身はあまり知らなかった事ですが)この絵をどうして購入し、また手放すことにしたのか興味が沸いています。
また、現在落札者の名前は明かされておらず、個人コレクションとして収まるならばこの作品が公共の場に登場する機会はきわめて少なくなります。
現在リヒター氏の制作工程がYoutubeに公開されています。こうした映像を観るとアーティストしての確かな鼓動を僕自身は感じます。