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鈴木春信展 名古屋ボストン美術館

昨今北斎ブームにより浮世絵が注目されていますが、残念ながら北斎にとどまる傾向があり、奇想の画家として注目を浴びていいる歌川国芳が美術ファンの間で人気を得ているくらいで浮世絵の世界に対する認知度がまだ低いように思います。

名古屋ボストン美術館が平成31年3月をもって契約が満了。別れを惜しんで来館者が増えているタイミングで600点以上の鈴木春信コレクションを所蔵するボストン美術館名品展「鈴木春信」展が開催されていることは、浮世絵版画の世界を知る上でたいへん意義ある展覧会となっています。

鈴木春信は江戸中期の浮世絵師でそれまでモノクロの錦絵に色を加えた多色摺り木版画の先駆者。春信がいなければ、誰もが思い浮かべるその後の浮世絵の発展はなかったと言えます。その作品は、日本ではほとんど現存せず海外でもボストン美術館のコレクションを除けば僅か。そうした希少な春信の浮世絵を厳選して紹介しているのが今回の展覧会です。

その作品は中国の古事や古今和歌集のなどの神話説話にならい、当世風にアレンジしたユニークな作品やしなやかな手足が特徴の美人画、今のアイドル的な存在だった町娘をモチーフにした評判娘の作品など斬新かつアイデアに満ち溢れています。

当時の絵具は植物成分のため、色により光に弱く退色してしまう場合が多いそうで、ボストン美術館のコレクションは長く展示されることがなく良好な状態に保たれているそうです。その点でも名古屋の地で春信コレクションが公開されること自体貴重であると思います。

本展は1月12日まで開催。正月1日と9日を除き開催されます。初春のおめでたい時期に春信の浮世絵版画を楽しんでみてはどうでしょう。


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