名古屋のヤマザキマザック美術館で開催中「名古屋ひつじ物語」と言うプロジェクトを観賞しました。
来年は未年。現代美術家の井上信太氏によるアートワークで1988年からスタート。羊のパネルを各所に並べ、それを映像やカメラに収めると言うもので、全国はもとよりヨーロッパを含めた100か所にも及ぶ正に羊飼いの放浪の旅を記録する平面作品です。
ここ名古屋では繁華街の栄や名古屋城などの名所、旧跡に加え観光や文化スポットにアートワークが行われ、その映像やプロジェクトの詳細を集約して会場を旅の終着点にしています。
都市空間の中に顔のない4本足の生き物のパネル設置する行為を作者は放牧と言っています。その行為により、通常の空間とは異なる新しい変化が視覚的に楽しめる展示となっていました。
また、旅の集約的な場所となった館内のアールヌーボの調度品が置かれた部屋は、羊の群れが違和感なく溶け込みヨーロッパの風情をも漂わせていました。ヨーロッパの絵画を中心に所蔵する美術館と現代のアートワークの競演。平面作品の新しい世界を開きつつ新年を迎えるにふさわしい展覧会となっています。西洋絵画の名品を数多く収蔵する当館の雰囲気を楽しみながら、ユニークなアートを楽しんでみてはどうでしょうか。
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