映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、フィンランドの実験的ドキュメンタリー風作品「365日のシンプルライフ」です。
今回の作品は、フィンランドの映像ディレクターによるもので脚本・監督・主演を務め長編映画初監督作品です。
失恋のショックで、モノを買いすぎてあふれかえった部屋を主人公はリセットするために、壮大な計画を実行します。
それは、すべてのモノを家から離れた倉庫にいったん保管し、一日に1個だけ持ち出すことができるルールを決め、モノを買わない生活を365日続けることで、人生の上で本当に必要なモノを導き出すと言うものです。
やましたひでこさんの断捨離や近藤麻理恵さんのときめき片付け術など。家庭にあふれるものを如何にして整理していくかと言う整理術がもてはやされていますが、今回の作品は、さらにその上を行くもので、雪の降り積もる夜からスタート。主人公が裸で倉庫に向かい、一枚のコートを選びます。
こうして1点ずつ、その時に何が必要かを、友人のアドバイスや嘲笑を受けながら、何もない部屋にモノが置かれていきます。季節の移り変わりと共に、フィンランドのリペア―・リユース・リサイクルの生活様式がわかり、風土や生活スタイルで、その人のモノの価値がわかってきます。
この実験を通して彼が得た結果と先人である祖母のメッセージがモノにあふれた社会で、本当の価値が導きだされたように感じました。