第68回ベルリン国際映画祭、オープニング作品で銀熊賞(監督賞)を受賞のウェス・アンダーソン監督の新作「犬ヶ島」を観賞。
グランドブタペストホテルで、アカデミー賞最多の4部門を受賞したウェス・アンダーソン監督の新作は、黒澤明、宮崎駿をリスペクトし、日本へのオマージュによるアニメーション作品です。
日本を舞台に愛犬を探す少年を中心に描かれたノンストップアニメーションで、内外の俳優陣が声優として出演。今回は監督もお墨付きの日本人俳優による吹替版を観賞しました。
物語は、20年後の日本。メガ崎市でドッグ病が蔓延し小林市長は、犬ヶ島にすべての犬を追放する政策を断行、隔離された島で犬たちは劣悪な環境の中で暮らしてました。ある日、市長の養子のアタリという少年が、は護衛犬だった犬を探しに犬ヶ島に不時着。ボスグループの犬たちと共に暮らす中で小林市長の犬に対する陰謀を知り、アタリは犬たちと戦うことに。
日本を舞台に繰り広げられる冒険劇は、日本的なアニメーションとアンダーソン独自のカメラワークに浮世絵などの日本美術が融合した、今までに観たことがないアートの世界が広がります。アニメーション作品として、アカデミー賞にノミネートされても不思議でない見事な出来栄えです。
また、日本への思いが強い監督らしい、日本の歴史や文化をうまく未来に融合させておもしろいです。タイトルから犬ヶ島からも想像できるアタリと犬たちが、桃太郎の世界を想像させますが、逆転の発想で権力者と反権力者の図式をうまく反映してます。
僕は、あまりアニメに興味がない方ですが、上映期間が短いので終了してる可能性があり残念です。アニメ好きの人たちにも、あっと言わせ、納得する手法が用いられているように思います。ぜひ、DVDが発売されたら先入観を捨ててみてほしいなと思う作品です。僕も次には字幕版で観賞してみたいなと思ってます。