最強のふたり、製作陣による社会派ドラマ「スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~」を鑑賞しました。
日本でも、裕福な家庭の障がい者を移民出身の無職の男が介護という実話に基づくフランス映画が異例のヒットとなった「最強のふたり」のエリック・トレダノとリビエ・ナカシュ監督が挑んだ最新作は、無認可の自閉症ケア施設を運営する男とドロップアウトした若者の就労を支援する団体の男が主人公。外見はこわもての二人がそれぞれの使命を全うするために奮闘する感動のドラマです。
物語は、自閉症ケア施設「正義の声」代表のブリュノは、他の施設が見放す自閉症の若者たちを無条件で受けいれている。その施設の若者たちをサポートするのがブリュノの友人で若者の更生を行う「寄港」の若者たち。資格を持たない若者たちが、自閉症の若者たちと向き合いサポートしていく中で政府が施設を問題視して潰そうと調査が入ることに。
ブリュノを演じたヴァンサン・カッセルとマリクを演じたレダ・カテブの中年コンビの奮闘ぶりと自閉症の子供たちと不良少年少女に向けられる眼差しや姿、子供たちの体当たりの演技は、どの場面も愛に満ち満ちてすばらしい。そして福祉的な部分においても詳細に描かれていて、教育的な映画としても価値があります。
ともすると重々しく感じるテーマを監督の特徴でもあるユーモアを交えながら徐々に心が揺さぶられていく傑作の社会派ドラマだと思います。
また、ひとつの「最強のふたり」のドラマが誕生しました。最強のふたりと最強の仲間たちの軌跡を味わってほしいです。