映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、カンヌで監督賞を受賞した「ドライブ」です。
前評判と共に、じわりじわりと人気が上がった作品ですが、映画館で見逃してしまいDVD化を心待ちにしていた作品ででしたが、その人気どおりに最初から釘付けになる作品でした。
昼間は、スタントマンと自動車修理工、夜は強盗の手助けをするドライバーと二つの顔を持つクールで孤独な男が、同じアパートに住む服役中の夫と一人息子を持つ人妻と恋に落ち、ある事件に巻き込まれることで、愛する女と息子を守るために、裏組織に一人で戦いを挑むクライムサスペンスです。
主人公の天才ドライバー、ライアン・ゴズリングは、君に読む物語でブレイク後、数々の配役を演じる実力派で、今回も端正な顔立ちとは対照的なクールで繊細ながら、抑えきれない暴力性を持つ男を見事に演じていました。
二重、三重に仕組まれた罠に、ムスタング、シボレー、クライスラーなどの代表格のアメ車によるカーチェイスや斬新かつ哀愁さえも漂う暴力シーン、そして、寡黙な男からにかもし出す静謐な愛情表現とサスペンス、アクション、バイオレンス、ラブストーリと、どれをとっても文句なしの出来上がりでした。
全編に流れる印象的な音楽、相反するように昼と夜の対比的な映像美も、この作品の見所に加えたいと思います。
今年、指折りの秀作であり、DVDでもオススメの逸作です。