映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、フランドル絵画の巨匠の名画を題材にした映画「ブリューゲルの動く絵」です。
今回の映画は、16世紀フランドル絵画の巨匠、ブリューゲルの大作「十字架を担うキリスト」の中に描かれた世界を切り取り、映画として動かした画期的な作品です。
この作品は、十字架を背負いゴルゴダの丘へ向かうキリストの行進を描いた作品で、聖書の物語と当時の風習をみミックスして描かれています。その絵画の中に登場する人物ひとりひとりにスポットを当てて、ゴルゴダの丘でキリストが処刑されるまでの時間を絵画の世界から飛び出し描いた作品です。
画面のなかに描かれているブリューゲルが、動く絵画世界を解説しながら、彼が得意とする寓話的風景画として作られています。
スクリーンの中の世界は、その色彩といい、人物像なども絵画から飛び出してきたように忠実に表現され、二次元と三次元を融合したような不思議な世界を感じました。
このような動く絵が可能になったのも、ブリューゲルの緻密な絵画技法と寓話表現により可能になったことを実感しました。
名画の持つ摩訶不思議な魅力にあふれた作品。美術ファンなら、ぜひ観賞してもらいたいと思います。