本日の映画レビューは、マエストロ親子の確執と愛を描いたフランス映画「ふたりのマエストロ」です。
フランス映画は人間愛を描いた作品が多く、また音楽をテーマにした作品を数多く存在します。今回の映画も名指揮者として名を馳せた二人の親子に突如起こった事件をきっかけに、ライバル関係でもある親子の確執から家族愛へと進むヒューマンドラマです。監督は俳優としても知られるブリュノ・シッシュ、プロデューサーに「コーダあいのうた」のフリップ・ルースロが担当しています。
パリのクラシック界で指揮者として地位も名声も得た父フランソワと息子ドニ。二人は性格も異なり、とりわけ父は息子に対してライバル心を強く持ち、ぎくしゃくした関係が続いてます。そんなある日、父フランソワに夢であったミラノ・スカラ座での音楽監督の依頼が飛び込んできます。しかし、その依頼は息子のドニへの依頼でスカラ座総裁は、父への間違いを、なんとドニから伝えてほしいと頼みます。
今回の映画は2011年のイスラエル作品「フットノート」のリメイクでフットノートでは学者親子の有名な賞の受賞間違いの設定ですが、設定を変えたことでフランス映画らしい仕上がりになっています。また、一度は耳にしたであろうクラシックの名曲が流れ、また作中でドニが参考にするスカラ座での小澤征爾の映像が流れるなど、誰もが親しみを持つ演出になっています。
ストーリー展開もシンプルで上映時間も短いですが、ラストでのスカラ座での演奏がこの映画の全ても物語っているようでした。観る価値は大いにある映画です。