地元愛知で活躍する中堅、若手の工芸作家が一堂に介した展覧会が古川美術館と分館の爲三郎記念館で開催中です。
日本の暮らしの中から生まれた工芸。ここ愛知は日本でも有数な工芸が盛んな地です。工芸作品が並ぶ展覧会は日展や新日本工芸展などの大きな展覧会でしかお目にかかることがなく、今回の展覧会のような東海地方を代表する六古窯の瀬戸や常滑の陶芸に和紙、漆、硯、七宝などの工芸作品が居並ぶ会場は貴重です。
今回の工芸作家は、各分野で活躍する中堅、若手の作家で構成され、瀬戸の加藤令吉や寺田鉄平。常滑の鯉江廣、山田想などなじみ深い陶芸界の中堅作家に、漆や七宝、和紙などの作家の意欲的な作品が、古川美術館には大作が、分館の爲三郎記念館では、趣きのある数寄屋造りの日本家屋の各部屋に暮らしの息つかいを感じる演出で、来場者を出迎えてくれます。
また、作品の目線に合わせて観賞されると日本庭園の美しに溶け込むように独特な趣を感じられます。
残すところ数日に迫まり5月10日が最終日となる展覧会。同時開催の所蔵品による日本画の企画展「四季暦から青春之章」と共に初夏の彩を感じてみてください。