愛知県美術館で4月5日まで開催中の「ロイヤル・アカデミー展」を観賞。
1768年の創設のロイヤル・アカデミー・アーツ。その歴史は1824年のロンドン・ナショナル・アカデミーが開設される以前から英国美術の担い手として重要な教育機関となっていると言うこと。
オールドマスターからラファエル前派の作品を多数所有し絵画940点に彫刻1180点。版画8000点。素描、建築図面、初期写真などを加えると27000点を超えます。
その中でもロイヤルアカデミーの歴代会員が自選による「ディプロマ・ワーク」のコレクションを中心に97展が展示されています。
会員の中には、ウイリアムス・ターナーやエドワード・ポインター、ラファエル前派を結成したミレイなど、英国を代表する画家たちの作品がずらりと並ぶ古典絵画のファンにとって魅力的な展覧会です。
今回の展覧会のポスターやパンフレットに用いられたミレイのベラスケスの想い出は、ベラスケスの代表作「ラス・メニーナス」から着想を得た作品で、幼いマルゲリータ王女を鮮烈に描き、その静かなまなざしが印象的でした。
ジョン・ウイリアムス・ウォーターハウスの人魚は、夏目漱石が小説三四郎の一説の中で登場する作品で、ターナーやミレイの作品にも影響を受け文章に反映したほどコレクションに魅了されています。
絵画作品のほかにも、素描の数々は教育機関としての役割を担い無名の生徒のデッサン画にその実力の程や建築図面や初期写真等は資料的な価値を持ち、後進への育成に力を注いだことが伺い知ることができ、アカデミーの存在感を強く持ちました。
今回の愛知が最後の巡回展となる本展。華麗な英国美術の世界をぜひ堪能してみてほしいです。
漱石をも魅了した人魚
iPhoneから送信