熊切和嘉監督、綾野剛、村上虹郎が共演の映画「武曲 MUKOKU」を鑑賞
芥川賞作家、藤沢周原作を硬軟交えたマルチな作品で人気の熊切和嘉監督による剣道活劇。剣道の世界で育ち剣を捨てた男と死に急ごうとする青年との交流を通じて再生のドラマが描かれてます。
母を亡くし、ある事件がもとで植物人間となっている殺人剣の異名を持つ父。酒に溺れ自堕落な生活を送る綾野剛演じる研吾。ラップをリリックが好きな高校生、村上虹郎演じる羽田融は、研吾の師である剣道部の顧問から剣道を教わりのめり込んでいきます。二人の出会いは死に急ぐもの者として、ついに対決に向かうというもの。
綾野と村上の雨中での格闘シーンは圧巻で、剣道の技を超えた狂気が伝わってきました。また、役を演じることにストイックなことで有名な綾野の鍛えられた肉体美に、作品への意気込みが感じられました。
柄本演じる禅僧で剣道部の顧問から語られる剣の極意、凄まじい過去を持つ小林演じる父と研吾の親子関係など、剣を通じて人間の業がひしひしと伝わってきます。
館内は、綾野ファンと思しき女性がほとんどでしたが、男性にも、ぜひ鑑賞してほしい思う秀作です。