映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は全米ナンバー1ヒットとなったミステリー映画「ガール・オン・ザ・トレイン」です。
夫と離婚した女性が、ある夫婦の妻が蒸発したことから、事件に巻き込まれることで事件の真相を暴いていくミステリーですが、筋道の組み立てが実に巧みで面白いです。
今回の主要な登場人物は5人。元妻のレイチェルと夫のトム、現在の妻のアナに、隣人夫婦。列車の中で、かつての家に住むトムとアナを観ながらトムとの夫婦生活に思いを寄せるレイチェル、ある日隣人夫婦の妻の不倫現場を目撃、その妻が行方不明となる惨殺死体で発見されます。
レイチェルの過去の行動や当日のアリバイを事故で記憶がないことで、レイチェルに疑いがかかります。そこには、5人の主要な登場人物が事件の過去と現在を繰り返しながら、事件の真相へとたどり着く筋立てです。
レイチェル役のエミリーブラントと隣人の妻ヘイリーベネットの演技に注目です。レイチェルがアルコール依存症であることで、過去の自分が上書きされることで嘘と真実の境界線がない状態で進み、レイチェルに関わって人々の証言により、徐々に真相が明らかになるのですが、レイチェルの精神不安定な状態と死んだ隣人の妻の妖艶さと奔放さと対称的な二人が、実は観る人を惑わしていく見事な演出効果を持っていることに気づかされます。
観る者を視覚的にも惑わし、驚愕のラストへと進むミステリー作品ファンには必見の秀作です。