アートファンなら小布施の最大の魅力を尋ねれば、葛飾北斎の貴重な肉筆画が多数現存することを挙げれるでしょう。むしろ小布施は北斎ゆかりの地といえます。
先ずは、北斎最大のパトロン、高井鴻山の存在なくして語れないと思います。高井鴻山は、豪農商にして学問や芸術の分野にも優れた人でした。そして、師と仰ぐ晩年の北斎を経済的にも支援しながら、アトリエや宿を提供しました。
高井鴻山記念館の中庭付近。当時をしのばれる貴重な建造物です。
北斎と鴻山の交流があって、北斎館の「龍と鳳凰」「男浪と女浪」の祭り屋台の天井画や豊臣秀吉の重臣、福島正則や小林一茶ゆかりの寺・岩松院の本堂にある「八方睨みの鳳凰図」などの北斎の肉筆画の傑作が生れました。
これらの作品は、極彩色の鮮やかな作品で、浮世絵や水墨画などの作品とはまったく趣が異なり緻密に描かれた作品の中に今にも動きそうな迫力を感じます。
北斎館の入り口。向かいには小布施堂の経営するイタリアンレストラン三傘楼があります。
一茶ゆかりの池(あまり絵にならないので撮影しませんでした)のある裏庭
小布施は10月から11月が栗を中心にした実りの秋がもっとも賑わう時期です。
北斎ゆかりの場所を訪れながら、芸術と味覚の秋を味わってみてはどうでしょうか。