政治学者の姜尚中さんの著作「あなたは誰?私はここにいる」を読んだ。
感情を表に出さないクールでダンディなイメージのある彼は、感情を表に出し、時に、他人に誤解を与える僕にとってはあこがれる部分も多いです。
そんな、彼を身近に存在に感じたのは、美術に対する造詣が深いことです。日曜美術館の司会をされていた時の美術に対する愛情は、表面のクールさとは違い、優しさと熱情を感じていました。
そんな、彼の美術に対する熱いメッセージが「あなたは誰?私はここにいる」です。
タイトルは、彼がドイツ留学中に出会ったデューラーの「自画像」からの問いかけです。
この一枚の絵により自らのアイデンティティを確認することができた、デューラーによる啓示と述べられています。
そして、アートを通して様々な思索を重ねてきたことを知りえました。
それは、新しい発見や再確認ができ、僕の仕事の上でも有意義なものでした。
美しいものを観た時の感動は、どんな人でも平等に与えた権利です。美意識は違っていても、アートは、その美に対する扉の一つだと思います。
彼の美意識は、多岐にわたり、ルネサンス絵画から印象派、東洋美術、日本美術と幅広く、この著作を通して美術に対して優しさと愛情に包まれています。
もし、あなたが、美術に関して敬遠しがちであれば、ぜひこの本を読んでみてください。
きっとあなたにとっての、アートの重い扉が開くと思います。