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ルーベンス展 国立西洋美術館



ムンクの余韻が覚めやらぬ中、国立西洋美術館で開催中のルーベンス展へ。ヨーロッパを愛する女性たちの羨望の的であるルーベンス。バロック絵画の巨匠として教会の祭壇画を手掛けてきたルーベンス。一般的にはフランダースの犬のラストでパトラッシュとネロが天国に召されたアントワープ聖母大聖堂の祭壇画が有名でしょう。

会場に入ると、今回の見どころのひとつ、巨大なスクリーンに4Kによる大聖堂の祭壇画がほぼ原寸大で映し出されています。椅子に座り、スクリーンに、しばし目をやると静謐な空気が漂いルーベンスの世界に誘ってくれます。そして会場へ、今回の見どころは、初公開を含むルーベンス作品40点が10ヵ国から集結、7章からなる世界は、肖像画に始まり、宗教画と神話で彩られた荘厳な世界。

肖像画には、宗教画や神話で描かれるモチーフが、小品ながらルーベンスの卓越した筆さばきが伺えます。そして3メートル級の強大な祭壇画一堂に並ぶ展示構成も圧巻です。初公開となる最後の大作、聖アンデレの殉教を前にすると、そのダイナミックな描写に圧倒され、殉教者アンデレに祈りを捧げたくなります。

また、また、ヴィーナスや女性ヌードの作品は、肌の透明度や仕草など、清楚かつ魅惑的な独特なエロスを感じます。特にエニクリオを発見するケクロプスの娘たちは、天使とヌードの娘たち、そして年老いた老婆の姿が混然一体となって画面全体が美しさと優しさに包まれ、観ていてうっとりとしました。

今回の作品は、ルーベンスに続く弟子たちの作品も数多く展示されています。また、ルーベンス作品においても、後に修復、加筆された作品もあり、比較するならば、明らかに、その力量の違いは明らかです。だからこそ、今回の展覧会は、その作品の貴重さを、さらにあげているように感じました。

王に愛され画家の王として君臨したルーベンス。バロック芸術の誕生は、まさにルーベンスのためにもたらされたように感じます。


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