2004年に起こった学生による強盗事件を再現した映画「アメリカン・アニマルズ」を観賞。
2004年、ケンタッキー州の大学の図書館で時価12億円の貴重本が盗まれる事件が発生。ほどなく犯人は逮捕されます。犯人は、当大学の学生を含む地元学生でした。
今回の映画は、当時の犯行の計画と実行を、実際の犯人たちの証言を交えながら進む奇想天外な内容です。
犯人の学生は4人。本学に通う気弱な絵の好きな学生スペンサーと幼馴染のウォーレン。そこにFBIを目指すインテリのエリックと学生実業家のチャズが加わり、ウォーレンの計画の元に実行にうつします。と、ここまでは、どこかオーシャンズ張りのクールな面々と思いきや、事件は予想外のドタバタ劇へ展開していきます。
バート・レイトン監督は、ドキュメンタリー作品で注目され今回が初の映画監督作品で、刑を終え第二の人生を歩んでいる実在の人物のインタビューを交えながら、事件の真相に迫る、オープニングで紹介される実話そのものの作品です。
若者らしい発想のもとに計画された犯行が、計画のほころびにより、アメリカ犯罪史上もっともおバカな犯人となる事件を、青春ドラマとして昇華しているところが、とても面白く、誰もが青春時代のほろ苦さを味わえます。
過ちを認め更生しようとする若者に寛大なアメリカだからこそ、実現できたと思う映画。彼らの反省と弁解を聞きながら、クールな計画の裏に潜む顛末に注目して観てください。
