三重県立美術館で開催中の「再発見!ニッポンの立体」を観賞しました。あいにくの雨の中でしたが、来館者も少なくゆっくりと観ることができた本展。群馬県立館林美術館、静岡県立美術館、そして三重県立美術館が最後の巡回展となります。
本展は、立体に着目した今までにない企画展だと思います。日本の様々な立体造形物を古代から現代にいたるまで150点を展示。縄文時代の土偶に始まり、仏像、狛犬や民芸品の人形から土人形や御所人形、明治時代の造形、近代彫刻、現代美術から商業美術まで、館内に展示された立体を観ていると、素朴、超絶、細密、ユニーク、カワイイなどありとあらゆる感情が芽生えてきます。
特に美術ファンの立場から見ると、明治の超絶技巧の作家の作品を所有する清水三年坂美術館、民藝の運動の中で評価された作品を所蔵する芹沢美術館、日本を代表する彫刻家、平櫛田中や高村光雲に息子の光太郎の作品などが一堂に並ぶことだけでも必見の価値があります。
古美術ファンにも、美術ファンにも、おもちゃファンにも楽しめる、ボーダーレス化した立体の展示は、それぞれのファンに新たな立体の魅力を感じられるに違いありません。また、日本の立体の多様性に驚かれることと思います。
巡回展最後の展示は4月9日まで。ぜひ、日本の立体の系譜を楽しんでみてください。