伊藤深水、鏑木清方など、美人画の巨匠として耳にすることは多いと思います。そんな美人画の巨匠の中で女性として際立った活躍をした上村松園。現在、今回名古屋市美術館で上村松園展が開催中です。
前後期にかけて100点近い作品が並ぶ本展は、上村松園展としては、大規模な展覧会と言えます。美人画と言えば、舞妓や芸子などの華やかな女性像を思い浮かべますが、松園の特色は、そんな華やかな女性像に加えて、一般女性の風俗的な構図も多く、ただ美しいだけの世界から女性特有のしぐさや趣きをとらえた作品も数多くあります。
今回の展覧会にも、そうした世俗的でありながら、年月を超えた女性本来の美しさが称えた名品が数多く展示されています。
もちろん、華麗な美人画の世界や歴史や古典を題材にした作品も数多くあり、様々な女性像が一堂に並ぶ展覧会です。
今回は、ゴールデンウイーク期間に観賞しましたが、14日からの後期の展示には、重要文化財の「母子」も特別出品されていますので、後期の展示にもぜひ注目したいです。