私は計画的に生きることを嫌っている。もちろん、それは普遍的な意味ではなく、ごくごく個人的にだ。「嫌っている」という言葉も違うかもしれない、私は不器用なのでそもそもが計画的に生きられないということなのかもしれない。
私のモットーは、今目の前にあることに誠実に、かつ粘り強く、そして楽しくやることだけ、それだけでいい、と思っている。
具体的に言えば「何歳までに結婚して、何歳までに子供を作って、何歳までに・・・何歳からは・・・」という自分で決めたことに縛られたくはない。例えば、私はプロの写真家となったが、なろうとしてなったわけではない。たまたまJPUの理事に声をかけられ、スカウトされてプロに転向した。そのとき撮っていた写真はプロになるためのものではなかったし、純粋に楽しんで飽きることなくいつまでも、いつの時にも撮っていた写真たちだった。
今は芸術的な面でアプローチしているが、努力と技術と一定程度の才能があれば、その芽は必ずや人の目にとまるものだと思う。そこには、とても自然な流れがあるのだと思っている。
そして、私は、その自然な流れが、人生全般についてもあるのだと思っている。その流れは、静かだが、非常にダイナミックな流れだと思っている。そして、目の前にあることに一生懸命に取り組んでいくうちに、思いもよらない道が開けてくるのではないか、そういう風に考える方が、私にとっては冒険的で面白い人生が送れるのではないかと思っている。もちろん、険しい流れもあるだろう、でも、自然の流れは、最後には平穏な大海原へと導いてくれると信じている。