最終日の朝はにわか雨。
というか、ゲリラ豪雨だった。
雷鳴が轟き、大粒の雨が窓に叩きつける。
雨雲レーダーを確認すると、出発前にはなんとか止みそうな様子。
気持ちを切り替えて、朝食に集中することにした。
身支度を終えて外に出ると、予報通り雨は止んでいた。
最後の目的地は、出雲大社。
10月のことを神無月というが、出雲では神在月という。
日本中の八百万の神が出雲に集まって話し合いをするので、出雲以外の場所には神様がいなくなってしまう、ということだ。
今回の旅行は8月なので、神様たちはまだ来ていないことになる。
大社の境内には彼らの宿舎が用意されていた。
八百万の神が泊まるにしては少し狭い気がしたが、きっと大きさなどは変幻自在なのだろう。
ガイドブックに従い、境内を巡る。
ニ礼四拍手一礼という出雲大社特有のお参りの作法。
いつもと勝手が違うので、リズムがうまく取れない。
周りの人の様子も伺いつつ、最後の神楽殿でのお参りでは、なんとかしっくりとおさまった。
昼食は出雲そば。
弁当として屋外で食べるため、積み重ねたわっぱにいれたのが始まりだという。
そばをつゆにつけるのではなく、上からかけて、余ったつゆは下の段を食べる時にまたかける。
色々な薬味がついていて、味変しながら食べられるのが楽しい。
ゆっくり食べ歩きをする時間がなさそうだったので、ぜんざい付きのセットにしてみた。
知らない場所で、惜しまずその土地の名物をいただくのが、旅の醍醐味。
ふっくらしていて、しっかり甘いあずきにお餅。
そばとぜんざいは少し食べすぎだったような気もするけれど、それはそれ。
旅の最後の食事を控えるだなんて、そんなのもったいない。
帰りの飛行機は時間通りに飛んだ。
窓側を譲ってもらえたので、ずっと外を見て時間を過ごす。
離陸と着陸は少々怖いが、私は飛行機が好きだ。
特に窓の端に少しだけ、翼が見える席が良い。
雲を突き抜けた先に広がる青空。
次々に形を変える雲。
地図で見たままの海岸線。
それなりに疲れているはずなのに、結局窓にへばりついたまま、一睡もしなかった。
3泊4日の山陰旅行はこれにて終わり。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。