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医師も、親も、周囲も気づくのが難しい「女性の発達障害」精神科医が指摘する“気づかれないリ…

2023-12-31 19:07:26 | ニュース
医師も、親も、周囲も気づくのが難しい「女性の発達障害」 精神科医が指摘する“気づかれないリスク”
2023/12/31 07:00

(TBS NEWS DIG)
2023年は『悪質ホスト問題』が大きく注目された。そもそもなぜ女性たちはそんな危険なところに行くのだろうと感じた人もいたかもしれない。その背景に「発達障害」の影響を受けているケースもあるのではないかと指摘する精神科医がいる。取材すると、女性ならではの発達障害による困難がみえてきた。
女性ホルモンや親のフォローが影響?気づくのが難しい「女性の発達障害」
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厚労省の調査(※1)によると、発達障害と診断された人の数を男女別でみると、男性の割合が68.8%、女性の割合が29.9%という結果で、男女比にすると、1:2.3人と性別によって大きく違いが出ている。

一見すると、発達障害は男性に多いとよめるが、実は女性も診断数以上に存在していると考えられている。

早稲田メンタルクリニック院長で精神科医の益田裕介さんは、女性の診断数が少ない理由には、女性の発達障害の特性は目立ちにくく、医師も、親も、周囲も、気づくのが困難という背景があるという。そして、そのことによる女性への影響は大きいと解説する。

ーーなぜ女性は発達障害だと気づかれにくいのでしょうか?

益田裕介 早稲田メンタルクリニック院長
「男性は、男性ホルモンの影響を受けるので、より攻撃的になったり、多動が激しくなるので、特性が目立ちやすいことがあります。一方で、女性の場合は女性ホルモンの影響を受けるので、大人しくなっていくことがあります。

女性の発達障害の特性の一つに、忘れものや遅刻が多いといった傾向があるのですが、他の要因が関係して起きていることもあります。また、これらの行動を親が自分の責任だと思ってしまい、手助けをしてしまうんですね。
そのために見つかりにくいということもあります」

ーー子どものためにフォローすることは親としては当然な気もしますが…。

「ほどよく、挫折とか、失敗を体験させることも大事だったりします。大学生まで、社会人になるまでと、親がフォローできても、その後は自分で何とかなるだろうとなってしまう。結果、親が助けて何とか成長して、あとは自己責任になってしまうんです」
ーーそうなると、どうなるんでしょうか?
「大人になってから発達障害が診断される場合というのは、大人の社会に適応できないからわかるということがあるんですね。みなさん、本当に困っています」
性被害というリスク・・・性に関する暗黙のルールがわからない
発達障害の特性の一つに「コミュニケーションが苦手」という点がある。このことは、診断されず、支援がないまま成長してしまうと、社会生活の中でいくつもの課題を生み出すのだという。

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「いろんな課題があるのですが、一つには、性被害に遭いやすい点が挙げられます。
社会には暗黙のルールがたくさんあるっていうことを、丁寧に説明してあげなければならないのですが、性に関する暗黙のルールや機微は親は伝えにくいし、友達から教わることもあまりないので、性被害に遭いやすいんですね」
ーー性に関する暗黙のルールって、どういうことでしょうか?
例えば夜道や、男性ばかりの飲み会って、暗黙的に“危険な場所だな”と認識できますよね。しかし発達障害の方は、仲の良い人たちだから行ってみようかなとなるんです。“危ない” “怖い”という感覚がないことがあります。

さらに例えば、2人でゲームしない?と誘われて男性の家に行くことも、ある意味、性的関係になる可能性もあるのに、社会的文脈や暗黙知が分かりにくいんです」
ーーいわゆる一般的な常識とは違う常識で動いてしまうんですね…。
「発達障害の方は周囲から『何でできないの?』『何で人の気持ちがわからないの』と否定され、怒られてきたケースが多いです。
このことは、最近、社会問題になっている「悪質ホスト問題」にもつながっているのではないかと思っています。否定され、怒られてきた人が、ホストに『キレイだね』『ステキだね』なんて褒められると、もう脳がとろけるくらい嬉しくなってしまうことがあるんですね。

世の中ではホストにハマる女性への自己責任論もあるようですが、精神科医目線だと、そうではないケースがあることもわかるので、この問題をどのように解決すべきかが今後の課題だと考えています」
『男の人に助けてもらって、計算なの?』女性カルチャーに困難

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ーー女性でコミュニケーションが苦手というのは、他にも影響がありますか?
「特に女性社会だと苦労します。男性社会って雑な言い方をすれば、ミスをしても『おもろいやつ』っていう扱いになりますが、女性社会は調和を求めることが多く見られます。調和と協調を重んじるカルチャーですね。そのカルチャーから外れると排除されやすいですよね。

さらに困っている人のところには、男の人が寄ってきやすいんです。そうすると『男の人に助けてもらって、計算なの?』ってなることも」
ーー男性に媚びを売っている意識はないのに、そう見られてしまうんですね…。

「でも、普段疎外されている人たちは、こういうときに男性に助けてもらうと、やはり脳がとろけてしまうんですよね。最初はそんなつもりはなかったけど、助けてくれたことを学習してしまい、依存のような形になってしまうケースもあります」
特性を受け入れるには・・・“普通”とされる価値観ではない価値観に触れて
ーー本人の問題というより、特性による周囲との問題が積み重なって影響を受けていることがよくわかりました。大人になってそれが障害によるものだとわかっても、向き合うのは難しそうですね。

「障害と自尊心って、相矛盾するものなんです。発達障害の人は、一つの価値観にとらわれる傾向があります。それが少しでも劣っていると自分の価値を認められず、自尊心が傷ついてしまいます」
ーー女性には、娘、妻、母、と価値観が変化するということもありますよね。発達障害の女性はいったいどうしたらいいのでしょうか。

「いわゆる“普通”とされる価値観ではない価値観に触れることが大事です。
例えば、現代社会においては、効率よく仕事ができる、お金を稼げることが価値と考えられています。でも本来は、それは価値観の一つで全てではないですよね。他にも価値はあるということを理解し、自分の価値観に組み込んでいくっていうのが、大事になります。

SNS、病院や福祉、患者会でもいいです。日常とは違う人たちの価値観の中に入ると、多分見え方も変わってくるし、楽になるのではないかと思います」



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