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セリエ(Selye,H.)によると、ストレス(stress)とは、生体に騒音・異臭・精神緊張などの有害な異常刺激が与えらえたときに生じる生体の歪み、およびそれに対抗して生じる体内の変動、それらの害を軽減しようとする反応の状態をいう。
ストレスによって起こる初期の反応を警告反応とよび、異常刺激をストレス刺激(ストレッサー:stresser)とよび、また生体の反応をストレス反応よぶ。ストレス刺激の種類や性質に関係なく、生体は同一の生理的反応を示し、その時生起する病的な症状をストレス病(適応症)
警告反応
生体が突然ストレッサーにさらされた時の反応
ショック相
受動的な状態(突然のストレッサーに対してショックを受けている時期)。
体温・血圧・血糖値が低下し、神経活動は抑制され、筋緊張低下・血糖濃縮が生じるなど抵抗力が弱まる。胃腸の糜爛や出血などのショック症状が起こる。アドレナリンや副腎皮質ホルモンの分泌が開始されない。
反ショック相
ショックから立ち直り、ショック相と反対の反応が生じる時期。副腎皮質が肥大しステロイドホルモンが放出され、体温・血圧・血糖値が上昇、神経活動は活性化し、筋緊張が増大、血液量の増加、毛細血管や細胞膜の透過性減少、組織破壊の停止、アルカローシス(血液のアルカリ化)など抵抗力が上昇し、ショックから回復しようとする。
抵抗期
受動的な反応から、積極的に適応する様に様々な反応が全身に現れる。
ストレッサーに対する抵抗力が増し、ストレッサーと生体の中でバランスがとれている時期。
副腎皮質の脂質量は増加し、細胞数が増えるので副腎皮質が肥大。
また成長ホルモンの分泌亢進によって組織の同化作用も上向き、一旦は減少した体重は回復してきて、対象となるストレッサーに対する抵抗力は増す。
しかし別のストレッサーに対する抵抗力は却って弱くなる。
何故なら、生体全体の適応能力には限界が有り、一つのストレッサーに対する適応能力を高める為には、別のストレッサーに対する抵抗力を犠牲にする必要があると考えられる。
ストレッサーに対する抵抗力が最も強い時期。
疲憊期(疲弊期)
強いストレッサーに長期間さらされた為、適応に必要なエネルギーを消耗し尽くし、適応反応の維持が困難になった状態である。
この時期は、一旦獲得されたストレッサーに対する適応力は減退し、全身症状が悪化し始める。
体温や血圧の下降、副腎皮質の脂質量の減少、低血糖などが続発する(機能低下)。
最終段階では、生体は全く抵抗力を喪失し、遂には死に至る。
炭水化物(糖質)からATPをつくる経路
嫌気的状態(酸素が不足しているときの糖質代謝):グリコーゲン→乳酸・・・筋肉疲労
グルコース1分子から、乳酸2分子とATP4分子が合成されますが、合成のためにATP2分子を消費するため、差し引きATP2分子が得られることになります。グリコーゲンからの合成では、使用されるATPが1分子で済むため、グルコース1分子当たりのエネルギー合成はATP3分子となり、血糖からの合成に比べるとやや効率的です。
酸素が不足する状態では、このように乳酸を産生しながらATPを合成します。乳酸が多くなると、組織や血液が酸性に傾き、細胞の活動が低下します。嫌気的な解糖で運動を続けられるのは1~3分程度です。それ以上の時間、運動を続ける場合には、有酸素的なエネルギー産生が必要です。
好気的状態(酸素が十分にあるときの糖質代謝):グリコーゲン→乳酸→グリコーゲン再合成
酸素が十分にある状態では、解糖系は血液中の糖分やグリコーゲンを利用し、ピルビン酸を生じます。1分子のグリコーゲンやグルコースから2分子のピルビン酸を生じます。
好気的解糖では、グルコース6リン酸からピルビン酸を生じる同じ過程で、嫌気的解糖に比べて6分子のATPを余分に合成することができます。ですから、グルコースからピルビン酸を生じる場合にはATP(4+6-2=)8分子、グリコーゲンからピルビン酸を生じる場合にはATP(4+6-1=)9分子が得られます。
好気的条件下では、つくられたピルビン酸はクエン酸回路に送られ、乳酸は生じません。クエン酸回路の働きにより、引き続き大量のATPが産生されます
疲労感時には、原因を自己点検する事が、重要!!
食欲の低下、体重の減少はないか?
体温の変動はないか?
睡眠時間の短縮や延長はないか?
身体各部に異変はないか?
心理的ショックやストレスはないか?
疲労の現れ方はさまざまで、全身的なもの・局所的なもの・急性のもの・慢性ものもなど、複雑な複合と考えられる。
好気的状態(酸素が十分にあるときの糖質代謝):グリコーゲン→乳酸→グリコーゲン再合成
適度な運動時は、筋肉へ酸素が充分供給される為、ピルビン酸はTCA回路(クエン酸回路)に送られ乳酸は生じずに、多くのATPが生成される。
嫌気的状態(酸素が不足しているときの糖質代謝):グリコーゲン→乳酸・・・筋肉疲労
激しい運動時は、筋肉への酸素の供給が充分でないので、ピルビン酸から乳酸が生じ、これが筋肉中に大量に蓄積増加し筋肉疲労となる。
乳酸:筋肉中に生成され蓄積された乳酸は、血液によって肝臓に運ばれる。休息などによって酸素が補給されると、乳酸の一部は二酸化炭素と水に分解され、その時放出されるエネルギーによって、残りの乳酸はグリコーゲンと合成され、ATPが再合成される。
レム(Rapid Eye Movement)睡眠
眠りは深いが脳波は覚醒時のような型を示す状態。
四肢や体幹の筋緊張は消失しているが,速い眼球運動を伴い,夢を見ている事が多い。
逆説睡眠。パラ睡眠。賦活睡眠。
ノンレム(Non-Rapid Eye Movement)睡眠
眼球活動を伴わない、夢を見ない睡眠。脳の回復を図る為脳は休み、身体は起きている状態。
2つの睡眠を4~5セット繰り返し、覚醒する。
就眠障害(入眠障害)
寝つきが悪いタイプ。
睡眠時間帯がずれたまま習慣化してしまう夜更かし型。
神経症や精神分裂症でも見られる睡眠障害。
途中覚醒
夜中に何度も目が覚める。目が覚めてから寝付けない事もある。睡眠が浅い。
神経質症から来る不眠。
早朝覚醒
どんなに遅く就寝しても早朝に目が覚めて、其の儘眠れないタイプ。
鬱病が原因となっている事が多い。
老人は通常でも早朝覚醒の傾向が強い。
熟眠障害
睡眠時間は充分なのに寝た気がしないタイプ。
排尿のために何度も目が覚めたり、小さな物音でも目が覚めるなど、睡眠が浅いのが特徴。
原因としては過眠型の鬱病が代表的。
早寝早起きを心掛ける。
就寝・起床時間を一定にする。
室内の照明を暗くする。
レム睡眠中に目覚める。