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札幌・円山生活日記

「京都 高山寺展 明恵上人と文化財の伝承」~国宝「鳥獣戯画」北海道初公開~

本日は「北海道立近代美術館」で開催中の「京都 高山寺展 明恵上人と文化財の伝承」~国宝「鳥獣戯画」北海道初公開~の鑑賞です。同美術館のSNSを見ていると大変な人気ぶりで先週の日曜日など『入場するまでに180分ほどお時間を頂いております。また入場後も最初の展示をご覧いただくのに30分ほどお時間を頂く場合がございます』とのこと。平日の開館早々なら少しは空いているだろうと出かけてきました。

開館時刻の9時30分少し前に到着すると入口まで長蛇の列が出来ています。最後尾に並び係の人に聞くと『すでに100人を超える人がお待ちです」とのこと。
「京都 高山寺展 -明恵上人と文化財の伝承」は京都・高山寺(こうさんじ)の中興開祖、明恵上人(みょうえしょうにん)の生涯と教えをたどり、同寺が伝承してきた国宝「鳥獣戯画」をはじめとする優れた絵画や彫刻、工芸、典籍文書等の展示により現代まで続く高山寺の歩みを紹介するというもの。7月9日(火)から9月1日(日)の会期中に展示替えがあり北海道初公開という国宝「鳥獣戯画」に至っては全4巻を3期に分けて展示し各巻とも途中で場面替えを行うそうです。
開館時刻になり行列に従い入館です。東側の入口から並んでいた人はチケット購入、西側からの列は前売りチケット等保持者で直接会場に入ります。ここまで約15分。
展示会場は第一章から第四章に分けられ第一章は国宝「鳥獣戯画」の展示。美術や歴史の教科書などで誰もが一度は見たことがあると思われる有名作品です。墨線を主体とする白描の技法を用いて、猿、兎、蛙、猫などの動物を擬人化して描かれた絵巻物です。

当日は全4巻(甲・乙・丙・丁)のうち甲巻の複製が前後半とも、本物の国宝が甲巻後半部分の展示です。複製が先ず展示されここまで展示会場に入り約10分。第一章は長い列に連なり鑑賞です。なお会場内は写真撮影禁止なので画像はネットよりお借りしています。
展示されていた国宝「鳥獣戯画」甲巻後半部分の有名な蛙とウサギの相撲。現在にでも通用する見事なセンスに皆さん『カワイイ!』と感心しきりでした。
第二章「明恵上人ー高山寺中興の祖」の展示。日本仏教史に大きな事績を残したという明恵上人の思想と研鑽の日々を伝えています。この辺りからは鑑賞者も分散し落ち着きます。
重文「子犬」鎌倉時代・13世紀、京都・高山寺蔵。鎌倉時代における優れた動物彫刻の一つで明恵上人が飼っていた黒い犬を模したとされているそうです。
第三章「高山寺に伝わる至宝と典籍」では高山寺に集まった文化財の数々を展示しています。
重文「神鹿」鎌倉時代・13世紀、京都・高山寺蔵。鹿は春日明神の使いとされ雌雄一対で阿吽の相を示しています。
第四章「近現代の高山寺」では明恵上人や高山寺に魅了された近現代の文化人たちが高山寺に寄進した茶室と茶道具、歴代の住職・小川義章来訪録など、高山寺にまつわる様々なものが展示されています。興味深かったのは「小川義章来訪録」。人脈の広い小川義章上人を頼って高山寺にやってきた政財界の要人、文化人たちのサインブックで白洲正子、黒沢明、司馬遼太郎、棟方志功、岡本太郎、東郷青児、土門拳、丹下健三、永六輔など各氏の個性ある書き込みが展示していました。
「高山寺開山堂明恵上人坐像全身」撮影・土門拳、昭和40年(1965)頃、土門拳記念館蔵。以上で鑑賞終了です。

ロビーのフォトスポット。
結局当日は最大で入場まで45分待ち、最初の展示まで30分ほどだったとか。ギフト販売コーナーも大盛況で大変な人気の展示会でした。自分もそうですが多くの人が『北海道初公開』に魅せられるようです。ありがとうございました。

「京都 高山寺展 -明恵上人と文化財の伝承」
会期:2024.07.09(火) - 2024.09.01(日)
会場:北海道立近代美術館(札幌市中央区北1条西17丁目)
開館時間:9:30 - 17:00(入場は16:30まで)
主催:北海道立近代美術館、高山寺、北海道新聞社、HTB北海道テレビ、NHK札幌放送局
後援:北海道、札幌市、札幌市教育委員会
観覧料:一般:1,900(1,600)円、高大生:1,200(900)円、中学生700(600)円、小学生以下無料(要保護者同伴)
鳥獣戯画3期セット券:4,200円(高山寺御朱印、図録割引券付き)※販売は7月8日(月)まで(当館では6月16日[日]」まで)。
*( )内は以下の割引料金です。
・前売料金
・10名以上の団体料金
・リピーター割引料金(当館または他の道立美術館・芸術館で開催した特別展の観覧半券をご提示の場合。1枚につきお一人様1回限り有効。有効期限は半券に記載。)
※観覧料の一部を、2018年台風被災からの復興資金として高山寺に寄進します。

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