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札幌・円山生活日記

「北海道開拓の村」「北海道博物館」

「北海道開拓の村」は明治から昭和初期にかけて建築された北海道各地の建造物を54haもの敷地に移築復元・再現した野外博物館。文化の流れを示す建造物とともに開拓当時の生活を理解すべく北海道開基百年を記念して開設された。「北海道博物館」とともに北海道を知る上で大変役立つ必見の施設です。

本日は野幌森林公園内にある「北海道開拓の村」と「北海道博物館」に出かけて参りました。地下鉄東西線の東の終点「新さっぽろ駅」より「北レーン10番乗り場よりJR北海道バス「新22「開拓の村」行(30分間隔)」に乗り換え終点下車すぐです(バス乗車時間:約30分、バス乗車料金:大人210円)。
 
「北海道開拓の村」
バス停を降りるとすぐに立派な建物が現れます。「北海道開拓の村」の出入口がある「旧札幌停車場」です。こちらで「開拓の村&北海道博物館/共通入場券 」(一般1,200円)を購入し入場です。
この建造物は、明治41年(1908)に建てられた札幌停車場の正面外観を縮小再現したもので昭和27年(1952)まで使われてきたものとか(「北海道開拓の村」ウェブサイトより、以下同)。http://www.kaitaku.or.jp/guide/guide.htm


村内は「市街地群」漁村群」「農村群」「山村群」の4エリアに分けられています。まずは「市街地群」よりスタートします(以下は印象的な主な建物等の写真)

「市街地群」
「旧開拓使札幌本庁舎」。外観は明治6年(1873)に建てられた開拓使札幌本庁舎を再現したもの
「旧浦河支庁庁舎」。明治30年(1897)に北海道庁が郡区役所を廃止し支庁制度を設けた結果、浦河支庁が置かれた。この建物は大正8年(1919)に地元の浦河村および道庁の費用で建築され昭和7年(1932)日高支庁と改称
「旧三ます河本そば屋」。この建物は明治18年(1885)頃に石川県から小樽へ移住した河本徳松(当時18歳)が、そば屋の修行を積み、三ますそば屋ののれんを継いで新築した店ご苦労の末に大成功されたのですね。
「旧札幌警察署南一条巡査派出所」。明治18年(1885)、札幌創成橋の脇に最初に建てられた交番は木造で、札幌創成橋交番所と呼ばれていた。同じ木造で一度改築されたが、その後個人の篤志寄付で建てかえられたのがこの建物
「馬車鉄道」で「市街地群」から漁村群」「農村群」へ向かいます(乗車料金大人250円)。1日9往復。馬が頑張っています。

漁村群」
「旧青山家漁家住宅」。青山家は、安政6年(1859)山形県から渡道し、小樽沿岸を中心に鰊建網などを経営した漁家である。建網経営には番屋をはじめ網倉、船倉のほか海産干場、船入澗など多くの施設、設備を必要とした
「旧青山家漁家住宅」内部の漁夫居住スペース。鰊漁や漁夫の生活等がかなりリアルに想像できまるようになっています。小樽の「別邸/迎賓館」よりも生活感が溢れて興味深いです。

「農村群」
「旧納内屯田兵屋」。明治8年(1875)に始まった北海道の屯田兵は、家族とともに兵村で暮し、北辺の警備と農業開拓に従事した。当初は士族を募集したが、明治23年からは主力を平民に移し、空知・上川・北見地方など北方内陸部に屯田兵村が作られていった
琴似にある「琴似屯田兵村兵屋跡」の建物と基本的には同じでしょうか。屯田兵の厳しい冬の寒さに耐えたくましく生きた生活がしのばれる住居です。

「開拓小屋」開拓小屋は開墾小屋とも称し、移住者が最初に建てた住居である。丸太を埋め立てて柱とし、桁・梁・垂木をわたし、笹・茅などで屋根や壁を葺き、出入り口・窓にはむしろを下げた。屋内は一部が土間で、他は笹・枯草を重ねたむしろを敷いて居間とし、炉を設けた。明治期のものを再現した
琴似の屯田兵屋でボランティア解説の方の説明の通り、「屯田兵屋」より厳しい「開拓小屋」での自然との闘いが想像できます。がたぶんに我々の想像以上の過酷な生活だったのでしょう。

「山村群」
「旧平造材部飯場」。この建物は、大正後期に下川村奥名寄の御料林内に建てられた造材飯場を再現した。造材飯場は、伐木・造材に携わった山子や集・運材作業に従事した藪出し、馬追いなどが山中で寝泊まりした小屋である
ここも過酷な生活ぶりを感じさせます。
「炭焼小屋」。北海道は、国内有数の木炭生産地で、主に黒炭が生産された。一般に専業の炭焼きは大型の窯を、副業では小型の窯を使用していた。この炭窯は大正末期の副業製炭業者の角窯を再現した

途中に村内の「食堂」での昼食。「屯田兵定食」(税込み1,030円)。鰊佃煮ご飯、いも団子焼き、みそおでん、豚汁など屯田兵の食事メニューを再現したとか。体験としてではなく純粋に食事としてならお勧めしません。いももち等別の安いので取り敢えず空腹を満たす方が良いかと。

「北海道博物館」
一通り「北海道開拓の村」を見終わって徒歩で「北海道博物館」へ移動。こちらも立派な建物です。今日は小学生の社会科見学日でした。

森のちゃれんが「北海道博物館」は、北海道の自然・歴史・文化を紹介する北海道立の総合博物館です。自然環境と人とのかかわりや、アイヌ民族の文化、本州から渡ってきた移住者のくらしなどを調査・研究し、北海道民の貴重な宝である資料を収集・保存し、展示や教育、イベント・事業などを行っています(北海道博物館ウェブサイトより、以下同じ)
http://www.hm.pref.hokkaido.lg.jp/about/ 

入口すぐの「ナウマンゾウ」(手前)と「マンモスゾウ」(奥)の化石標本。「プロローグ 北と南の出会い」を象徴する展示。 ”北海道は遠い昔から北東アジアの交差点でした。北からはマンモスゾウ、南からはナウマンゾウがやってきました。” 

総合展示では、「北東アジアのなかの北海道」、「自然と人とのかかわり」をコンセプトに、北海道の自然・歴史・文化を、5つのテーマで紹介しています(「 第1テーマ 北海道120万年物語」「 第2テーマ アイヌ文化の世界」「 第3テーマ 北海道らしさの秘密」「 第4テーマ わたしたちの時代へ」「 第5テーマ 生き物たちの北海道」)。 

「北海道開拓の村」「北海道博物館」とも見どころ十分でした。午前から昼食を挟んで半日ほど費やし博物館の閉館時間となりました。特に「開拓の村」は「よくこれだけの建物が再建・保存されているな」と感心するとともに今日の北海道を築いた先人の体験・苦労を偲ぶことができます。1~2泊の観光客には時間的には難しいかも知れませんが是非にも訪問したいお勧め施設です。勉強になりました

北海道開拓の村
札幌市厚別区厚別町小野幌50番1 011-898-2692 E-mai:info@kaitaku.or.jp
開村時間
4月1日~4月30日
午前9時~午後4時30分(入村は午後4時まで)
休館:毎週月曜日(祝日、振替休日の場合は翌日が休館)
5月1日~9月30日
午前9時~午後5時(入村は午後4時30分まで)
無 休
10月1日~3月31日
午前9時~午後4時30分(入村は午後4時まで)
休館:毎週月曜日(祝日、振替休日の場合は翌日が休村)、年末年始(12月29日~1月3日)
http://www.kaitaku.or.jp/

北海道博物館
北海道札幌市厚別区厚別町小野幌53-2 011-898-0466
開館時間 5月〜9月 9:30〜17:00 10月〜4月 9:30〜16:30
※入館は閉館の30分前まで
休館日  毎週月曜日(祝日・振替休日の場合は直後の平日)、年末年始(12/29~1/3)、ほか臨時休館あり
http://www.hm.pref.hokkaido.lg.jp/ 

(2020.10.8訪問)

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