「煌黒龍」
アルバトリオン
Alatreon
古龍種
古龍目 煌龍亜目 アルバトリオン科
全長約2969.63cm
全高1006.10cm/623.8cm(肩までの体高)
脚の大きさ152cm
・狩猟地
現大陸…神域、溶岩島
新大陸…幽境の谷
・概説
「暗黒の王」「破壊の象徴」とされる古龍種にして、その名を呼ぶことすらもはばかられる禁忌の存在。あらゆる天災を操り、あらゆる生命を奪うとされ、かの龍の後には死しか残らず、その到来は人類にとって終焉を意味するとも云われる。
常人では立ち入ることすら許されない神域に存在するというが、そもそも神域の存在すらも明らかになっておらず、言わんやその姿すらも。
かろうじて聞き集めた煌黒龍についての情報も様々。ある者は稲妻のように白い光を放つと言い、煮えたぎるマグマのように赤かったと言い、夜の闇より黒いと言う。そして、最後には口をそろえてこう言うのだ。その姿は恐ろしくもあり、神々しくもあった、と。
あらゆる自然の力を行使するとの言い伝えが残るなか、関わる記録の大部分が焼失している。神をも恐れさせる最強の古龍と謳われ、かの者を黒き光を放つ”神”として崇める者たちも少なくない。見る者によってその姿が異なるという伝聞も、神格化に繋がっている一因だろう。
そんなアルバトリオンの名が意味するところは、「夜明けの凱旋」。天災たる脅威と邂逅を果たしてなお、生を保ち還った者を讃えん。
ただ、これだけは言える–––世界には触れずにおいたほうがいいものもあるということを。
・特徴
通常の鱗に混ざって、ごく希に生えることがあるとされている通常とは逆向きに生える鱗は逆鱗と呼ばれ、高い希少性で知られている。しかし、アルバトリオンの場合は生物の理を覆し、全身を覆う鱗が全てこの逆鱗である。これは極めて珍しい特徴で、アルバトリオンの特異性を際立たせる。なお、新大陸で発見された個体においては、逆向きの鱗を「天鱗」と呼称する。その漆黒の鱗は、触れるものすべてを無慈悲に切り裂く鋭い刃の如しであり、まるで全ての存在との共存を拒むかのようである。金属を思わせる質感が特徴で、青紫色の輝きを纏う。また、全属性のエレメント(要素)が含まれているとされ、鱗のなかでも幻の逸品と評される。
それら逆鱗の集合して形成された逆殻は受けた衝撃を跳ね返し、攻撃そのものを破壊する不壊の鎧であるとされる。通常の生物とは異なり、下から上へと天を貫かんばかりに並び生える無数の逆鱗は、否応にも攻撃的なフォルムを形作る。全身のなかでも、特に大きく目立つ逆鱗が密集する胸部は鱗が変形し、身を守るように肥大化している。なぜこのような外殻を成しているのかは未だ解明に至っていないが、普段は他の生物が寄りつかない、火山の火口や水圧の高い海底に生息しているとも言われており、そうした環境が影響を及ぼしていると推察される。吹き上がるマグマや熱水の噴出から、胸部の保護を担うのだろう。
胸部に生える肥大化した鱗は、飛行時などの姿勢に合わせて胸筋の収縮により鱗が可動し、隙間を埋める形で位置を下げる。首を大きく振っても自傷に至ることはない。
冠状の二又に割れたような形状が特徴的な頭部の角には、ささくれ立った角芯らしき骨が見られる。
巨大な棘とヒレ状の皮膜を備えた尾は見るものを夢幻の世界に誘い込む妖気を帯び、時空を切り裂き、世界をも消滅させるのではないかと噂される禍々しい漆黒の翼は、広げれば闇が拡がったようにも、光が差したようにも見え、見るものに終焉を呼び寄せる。
全身の骨格については、四脚で翼を持つ他の古龍種とそう違いはない。首の長いクシャルダオラと酷似するが、首や尻尾などは太く逞しい。
・活動
目撃例や遭遇例自体が極めて少ない。かつて「神域」と呼ばれし土地での目撃例以降、新大陸「幽境の谷」における最近の遭遇まで目立った目撃報告はなかったが、突如として幽境の谷へと姿を見せた個体は、深部一帯を焦熱で包み込んだ。
https://x.com/MH_official_JP/status/1241341069431697408?s=19
その凄絶なる光景を前にした者へ、畏敬の念をも抱かせる。もしアルバトリオンがこの谷に留まり続ければ、ここが神域と呼ばれるようになったかもしれない。
それまでの常識を遥かに超えるこの存在に対し、調査団は総力を挙げて観察し、編纂することに成功した。
https://x.com/MH_official_JP/status/1277874742024826881?s=19
かの地は赤龍と呼ばれるゼノ·ジーヴァの成体の棲み処であり、幸いにも彼らが直接争う事態には至らなかったものの、いつ激突してもおかしくない状況にあった。観測隊の報告によれば、明らかに幽境の谷を目指しているように見えたという。つまり、目的は赤龍の存在にあったと考えて間違いなさそうである。
到着してほどなく、赤龍の痕跡を一掃するかの如く、アルバトリオンは豪炎を噴き、周囲を火の海に変え、繭を焼き払う。その姿からは、憤りのような感情さえ感じられた。
古龍ほどの存在になれば大陸規模、いや、星の規模で縄張り争いをしているのかもしれない。
・能力
超常の力としての存在たる本種が操るのは、あらゆる属性。自らに宿す属性が非常に不安定なため周囲の天候をも急変させてしまう、まさに”天災”と呼ぶべき能力である。
炎活性状態と氷活性状態で異なる色を放つ生物発光が、見る者の印象を変えてきたのだろう。それぞれの状態において、相反する属性を含んだ攻撃の蓄積により、活性状態の形態変化を抑え込める事実が確認された。
新大陸では炎活性状態と氷活性状態に加え、龍活性状態を含めた3つの形態変化が確認された。鱗や甲殻の隙間から漏れ出す光の色の変化から、外見上でも活性状態の違いを視認できる。見る者によって姿が異なると聞き伝わる話も、これらが裏付けとなろう。龍活性状態では、体表の蛍光部が紫色の微光を放つ。この身体に赤白色の龍雷を纏い、火と氷を含めた5つの属性を操ってみせる。
炎と氷、活性状態の切り替えには膨大な龍属性エネルギーを必要とするのか、龍活性状態にてエネルギーの増幅を図っているように見える。いまだ知られざる捕食に類する行為が確認されれば、研究も深まるだろう。アルバトリオンには、火や氷といった属性にまつわる体内器官や生態行動が確認されていない。恐らくは、体内で生成および循環させている龍属性エネルギーを元に生体活動を維持している可能性が高い。炎活性状態や氷活性状態は、龍属性エネルギーをそれぞれの属性へと転換し、発現させているのだろうか。煌黒龍の体内を巡る未知なるエネルギー、龍属性。雷属性や水属性の生成をはじめ、それらが作用して火属性や氷属性の源になると考えれば、本種の力の根源にも迫れそうである。
一方で、属性を制御する機能が頭部の角に備わる可能性は、古くから推察の種であった。龍活性状態における角の破壊により、炎と氷の活性状態の切り替えを妨げられ、一時的に属性の制御に支障をきたした事実からも、見当外れではなさそうである。
・危険度、戦闘能力
己が領域を侵犯する痴れ者があれば、咆哮を以て威嚇を行う。
https://x.com/gagieru_seltas/status/1588870039435870209?s=19
神域で確認された個体においては火属性と龍属性を発現させる状態と、雷属性と氷属性を発現させる状態においてはそれぞれ前者は地上・後者は空中と、主な行動域までもが変化するという。
鋭利な角での突き上げや突進、前脚の爪の叩きつけといった直接攻撃は無論のこと、炎活性状態での爆炎を伴う火炎のブレスの規模は着弾地点の岩盤を破壊し吹き飛ばすほど。水属性を持つ可燃性の液体を撒かれれば、更なる猛威を振るう。
氷活性状態では高空から氷塊を雨の如く降り注がせ、ブレスは猛吹雪の如き規模と威力。たとえその地が灼熱の溶岩の上であっても氷塊を形成する。加えて地面に生成された氷柱へ落雷すれば爆発を伴い、一つの属性攻撃だけを警戒するだけではその脅威に抗う事はできない。
活性状態にある属性を生かした強力なブレス攻撃を軸に、広範囲への落雷や水のブレスといった活性状態を問わずに操る属性も脅威の一翼を担う。どんな姿であれ、水撃や雷撃が脅威を倍増させる。
龍活性状態で濃縮した、全ての属性を内包した極限たる衝撃波を放つその攻撃は、「エスカトンジャッジメント」と名付けられた。正しくは、アルバトリオンにとって攻撃に類する行為ではないのかもしれない。
https://x.com/MH_official_JP/status/1282111837337645056?t=WncseCna2miZZZoG7zwYrA&s=19
龍活性状態から変化もしくは氷の活性状態へ移行する際に、途轍もなく強大な複合エネルギーを放出する、ただそれだけのこと。天災地変に匹敵するこの力は、万物の生命力を瞬く間に奪い去るという。無慈悲なる閃光と静寂が、辺りを覆い尽くす。
エスカトンジャッジメントで爆発的なエネルギーを放出したのち、大規模な爆発を伴う炎活性状態か、無数の氷結晶の生成を伴う氷活性状態へと移行する。灼熱と氷結の力で、周囲の景観までも激変させてしまう。
淘汰の試練を生き延びられるかどうかは、神と狩人のみぞ知るところであろう。
・利用
アルバトリオンの素材を元に作られた武具。禍々しくも神秘的なる力に因りて、万物を破滅に導かん。纏いし漆黒は常闇。そこには光が届く余地など介在しない。与えるは抗えぬ絶望。神をも畏怖させる力の深淵を具現する。
天を向いて生え揃う逆鱗の如く重ね組まれた形状と、その間からあふれ出す紫色の光が、名状しがたい異質さを放つ武器類。人智を超えた極大の龍属性を宿している。
切っ先から刃元、拳籠さえも相手を葬り去るためだけに設計され、扱うには熟練を要す。この武具を手にするような者はもはやハンターではなく、英雄と呼ばれるにふさわしい。
煌黒龍の素材加工は難を極めるが、中でもスラッシュアックスの製作には非常に高い技術力を要する。こうして完成した黒の剣斧は工房技術の粋を集めた結晶と言ってもいい。
ハンマーは、どれほどの破壊力を持っているか説明する必要もない。問題はどう扱うか。まるで使い手を試すかのようなその形状は、熟練のハンターすらもひるむ。龍を護り、人の世界を破壊するための武器なのだとあう伝説も、その禍々しさに拍車をかける。
武器からあふれ出る暗黒の力は、振るうたびに闇を生み出し、自らもその闇に溶けゆくという。光に惑いし心弱き者が持てば何者かの声が頭に響き、輝きに魅入られた者は意識を奪われ、やがて人の心を失うとされ、いずれは龍と化してしまうとも。
模したるは統天角か凶爪か、あるいは邪翼か。剣戟は天を裂き、猛射は大地を揺るがす。それは天災の具現。真の使い手が現れたとき、人の世は黄昏れ、龍の夜明けが訪れるという。
見る者を畏怖させるその姿形に、防具の形をとりながら、その向こうに禍々しい古龍の姿が浮かび上がってくる。いや、人によっては神々しいと感じるのかもしれない。この得体の知れない防具を、エスカドラと呼ぶ。
人の姿に煌黒龍を生き移したかのような防具は光を喰らう深淵の具現とされ、仇なす全てを破壊し、あらゆる脅威を退ける不壊の鎧。しかし強大な力を与える代償に、持ち主の命を求めるという。煌黒龍の神秘を得れば、属性への抵抗力が手にした武器の属性をも増強する。
このエスカドラシリーズと呼ばれる防具のスケッチは、ある書士隊員が偶然に立ち寄った工房で入手したもの。その隊員によると、老いた職人から半ば押し付けられるように渡されたこのスケッチは、驚くことにほぼ完成形でありながら、その職人は「もうこれを作ることはない。作るようなことがあってはならない」と呟いたという。隊員はその姿とスケッチを見て“煌黒龍”の伝説を思い返したと述べている。
・ソース
MH3G
MH4G
MHXX
復刻ハンター大全pg.304.315.327.336.350.356.407
DIVE TO MONSTER HUNTER WORLD: ICEBORNE モンスターハンターワールド:アイスボーン 公式設定資料集pg.271〜275.390〜393.469.472
モンスターハンター発想の法則
2禁忌の書pg.40〜47
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