The Alan Smithy Band

The band is on a mission.

やっぱり水木しげるフォーエバー

2015年12月01日 | ヒデ氏イラストブログ
いま思っても、幼い頃なぜあれほどまでに妖怪の本に執着していたのかわからない。

しかしそれこそが子供心に感じる「どうしようもなく惹きつけられる」魅力なのだから、きっとそこに理由は必要ないのだろうと思う。

ひで氏です。

買い物について行っては時折放たれる気前の良さをじっと息を潜めて待ち、何か買ってもらえるチャンスがあれば確実に水木しげるの妖怪本を買ってもらっていた。

力強い線で大胆に描かれたメインキャラに対して異常なまでにリアルな背景。
どこまでも想像力を掻き立てるシンプルかつ時に残酷な説明書き。
どこか普通と違う配色。いまにして思えばそういう要素すべてに心惹かれていたのだろうと思う。

お気に入り妖怪については以前このエントリで書いた。
とにかく水木しげるフォーエバー

後年、興味を持って水木しげるの他の作品を知ろうとしたが、悪魔くんも河童の三平も鬼太郎以上に影がありすぎてどうも馴染めなかった。ではせめて鬼太郎なら、ということで墓場鬼太郎まで遡ってみたがこれも怖すぎた。

つまり当時リアルタイムで水木しげるが描く妖怪や鬼太郎が「ちょうどよかった」のである。

当時は鬼太郎テレビシリーズも全盛期。「おばけにゃ学校も試験も何にもない」というフレーズに心底いいなぁと思ったものだ。

個人的にはテレビアニメの鬼太郎の成功の鍵は目玉の親父にあったと思っている。
アニメ化にあたって、原作からあの声を想像したこと自体が信じ難いし、あの声で行くと決めたのは相当なギャンブルだったと思う。

しかし結果、あの「誰でも頑張れば真似ができ」、「やっぱりお父さんだからピンチで頼りになり」、「それでいて愛らしい」、そして小学生なら誰でもやるあの勘違い「目玉の親父は鬼太郎の隠れているほうの目が出てきたやつ…あれ?じゃあなんで父さんと呼ぶ?それはね…」という絶妙なトリビア感。

語り部としても数々の妖怪のビジュアルのスタンダードを作ったし、時に西洋妖怪を描くときのやたらリアルな描写のギャップも強烈だった。
もし未見なら、私ひで氏一番のお気に入り、ぜひ見てほしい本が「妖怪道五十三次」だ。


ご存知、広重の「東海道五十三次」の浮世絵に妖怪をからめたものだが、もうこれは圧倒的だ。これを見ると水木しげるの凄さがよくわかる。


ニュースを聞いてなんとなくペンをとり、自分では五郎丸歩のルーティンばりに確立された順序で、幼いころから何度も何度も描いてきた鬼太郎とねずみ男を書いてみた。

気のせいか、ちょっと寂しそうな二人になった。





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4 コメント

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Unknown (にいやん)
2015-12-02 13:36:20
今回のイラストも凄すぎて溜め息です!
水木先生の訃報で真っ先に思い出したのが、ひで氏のブログに出てきた事によって興味を持った妖怪まくら返しでした。
「妖怪道五十三次」も手に取って見たいと思います。
特別鬼太郎に思い入れがあった訳ではありませんが、テレビ主題歌が吉幾三になった時は衝撃でした!
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Unknown (ひで)
2015-12-03 19:15:51
にいやんさん、

主題歌は試行錯誤の繰り返しですねーでもいまだに80年代のバージョンを超えるアレンジは出てないように思います。ルパンならルパン三世のテーマ'80のように後発でも凄いのがありますからねー!
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Unknown (なおと)
2015-12-05 21:32:24
イラストブログ最高です!!

水木ワールド大好きです。妖怪百物語は持っていますが妖怪五十三次も是非読みたいと思います。
鬼太郎を見て、妖術が使えたらな~とよく思ったものです。
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Unknown (ひで)
2015-12-07 23:00:57
なおとさん、

ありがとうございます!そういってもらえると書きがいがあります~笑
僕も幼いころはリモコンゲタがほしくてたまりませんでした!
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