お父ちゃんはよ来て。
こういう曲が成り立つアメリカの音楽シーン。裾野の広さがうかがい知れる。
ひで氏です。
映画でもそうだが、アメリカでは驚くほどマイナーなテーマで成り立つ映画がある。先日観た「Concussion」などいい例だ。アメフトにおける脳震盪の問題を暴こうとした医師の苦労を描いた映画だが、見応えのある映画だった。
派手さもなければ大ヒットすることもあまりない。それでも「そういう映画を作っても良い土壌がある」ということが大事なのだと思う。なぜならお金にならない映画というのは作れないのが普通だからだ。「相撲で起きる脳震とうについての映画を作ろうと思うんっす!」と言って「OK!それでいこ!」となる制作会社は今の日本にはまずないだろう。
その点日本の漫画界などはアメリカの映画界に似ていると思う。恐ろしくマイナーなテーマの漫画が存在するし、総じてクオリティも高い。この分野で世界をリードしているので新たなチャレンジや隙間ジャンルへの参入が活発に行われている。
音楽でもほぼ同じことが言えると思う。アメリカの音楽シーンでは「え?」というテーマの曲があったり、なんだったら大ヒットすることもある。
Crash Test Dummiesの「Mmm Mmm Mmm Mmm」などその最たるものだろう。この内容の曲が大ヒットしてしまうというのがアメリカらしい。もちろん、この曲は日本ではほぼ知られていないが、シンプルに言うと幼くして全部白髪になった少年の歌だ。
さて、Bonnie Raittである。
Jukebox動画では語っているが、Bonnie Raittはグラミー賞を獲得するまで20年という遅咲きのアーティストだ。でも過去作品を聞いていけば、途中の迷走も含めて彼女がいかに音楽に真摯に向き合い続けたのかがよくわかる。時間はかかってしまったかもしれないが、認められたのはある意味当然の結果とも言える。
Bonnieが歌うPapa Come Quickは非常に土臭いカントリーチューンで、アルバムの中ではメイントラックではないけれど存在感の大きな曲だ。
このAllison Kraussとのセッションでは、Bonnieが冒頭に「Here's one of my favorite songs from Luck of the Draw (Luck of the Drawの中のお気に入り)」と紹介しているし、何といってもAlison Kraussが若干恐縮しているような、固くなっているような様子がとても印象的だ。
今歌詞を振り返ってみると
Papa come quick, Jody's gone to the city
What are we gonna do, Now that Jody's gone
She left a note on a TV - papa, it's a pity
What are we gonna do, Now that Jody's gone
父さん、早く来て ジョディが出て行った
どうしよう ジョディが出て行ってしまった
TVの上に書き置きして なんてことだ
どうしよう ジョディが出て行ってしまった
と始まるのだが、これは「誰が言っているのか」問題があるような気がする。
パパではない家族の一員が言っているのは間違いないが、ママはあとで「朝からキッチンで泣いている」というくだりがあるのでママでもない。
ということはジョディのきょうだい、というセンが一番近いと思う。
私ひで氏はちなみに 弟が言っているような気がする。
これは人によって違うのだろうなと思う。昔トムとジェリーを見るときトム視点かジェリー視点のどちらで観ているかという質問をしてみたところ --- それもかなりの確信をもってほとんどの人が自分と同じジェリー視点で観ていると信じて --- なんと票が割れるどころか、トム視点の人のほうが多くて戦慄した記憶がある。
11年前のエントリ:「トムかジェリー」
これは自分が弟であることが大いに関係していると思うし、
今回のPapa Come Quickの話し手を感じる感覚にも影響しているのだろうと思う。
感じ方は人それぞれ。とにかくジョディはろくでもないチコと出て行ったのだ。
だから父さん、早く。
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ASB Hide's Jukebox:
The Alan Smithy Band ひで氏が26回シリーズでお届けする 「アルファベット順で思いつくままに曲とその想い出を語る」動画&ブログ連動企画。
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こういう曲が成り立つアメリカの音楽シーン。裾野の広さがうかがい知れる。
ひで氏です。
映画でもそうだが、アメリカでは驚くほどマイナーなテーマで成り立つ映画がある。先日観た「Concussion」などいい例だ。アメフトにおける脳震盪の問題を暴こうとした医師の苦労を描いた映画だが、見応えのある映画だった。
派手さもなければ大ヒットすることもあまりない。それでも「そういう映画を作っても良い土壌がある」ということが大事なのだと思う。なぜならお金にならない映画というのは作れないのが普通だからだ。「相撲で起きる脳震とうについての映画を作ろうと思うんっす!」と言って「OK!それでいこ!」となる制作会社は今の日本にはまずないだろう。
その点日本の漫画界などはアメリカの映画界に似ていると思う。恐ろしくマイナーなテーマの漫画が存在するし、総じてクオリティも高い。この分野で世界をリードしているので新たなチャレンジや隙間ジャンルへの参入が活発に行われている。
音楽でもほぼ同じことが言えると思う。アメリカの音楽シーンでは「え?」というテーマの曲があったり、なんだったら大ヒットすることもある。
Crash Test Dummiesの「Mmm Mmm Mmm Mmm」などその最たるものだろう。この内容の曲が大ヒットしてしまうというのがアメリカらしい。もちろん、この曲は日本ではほぼ知られていないが、シンプルに言うと幼くして全部白髪になった少年の歌だ。
さて、Bonnie Raittである。
Jukebox動画では語っているが、Bonnie Raittはグラミー賞を獲得するまで20年という遅咲きのアーティストだ。でも過去作品を聞いていけば、途中の迷走も含めて彼女がいかに音楽に真摯に向き合い続けたのかがよくわかる。時間はかかってしまったかもしれないが、認められたのはある意味当然の結果とも言える。
Bonnieが歌うPapa Come Quickは非常に土臭いカントリーチューンで、アルバムの中ではメイントラックではないけれど存在感の大きな曲だ。
このAllison Kraussとのセッションでは、Bonnieが冒頭に「Here's one of my favorite songs from Luck of the Draw (Luck of the Drawの中のお気に入り)」と紹介しているし、何といってもAlison Kraussが若干恐縮しているような、固くなっているような様子がとても印象的だ。
今歌詞を振り返ってみると
Papa come quick, Jody's gone to the city
What are we gonna do, Now that Jody's gone
She left a note on a TV - papa, it's a pity
What are we gonna do, Now that Jody's gone
父さん、早く来て ジョディが出て行った
どうしよう ジョディが出て行ってしまった
TVの上に書き置きして なんてことだ
どうしよう ジョディが出て行ってしまった
と始まるのだが、これは「誰が言っているのか」問題があるような気がする。
パパではない家族の一員が言っているのは間違いないが、ママはあとで「朝からキッチンで泣いている」というくだりがあるのでママでもない。
ということはジョディのきょうだい、というセンが一番近いと思う。
私ひで氏はちなみに 弟が言っているような気がする。
これは人によって違うのだろうなと思う。昔トムとジェリーを見るときトム視点かジェリー視点のどちらで観ているかという質問をしてみたところ --- それもかなりの確信をもってほとんどの人が自分と同じジェリー視点で観ていると信じて --- なんと票が割れるどころか、トム視点の人のほうが多くて戦慄した記憶がある。
11年前のエントリ:「トムかジェリー」
これは自分が弟であることが大いに関係していると思うし、
今回のPapa Come Quickの話し手を感じる感覚にも影響しているのだろうと思う。
感じ方は人それぞれ。とにかくジョディはろくでもないチコと出て行ったのだ。
だから父さん、早く。
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