The Alan Smithy Band

The band is on a mission.

朝のモスキート革命

2014年01月26日 | ヒデ氏イラストブログ
朝の電車内。電車というのは人を運ぶだけではない。時には珍客を迎え入れることもある。

ひで氏です。

招かれざる客、ともいうべき闖入者。
それは虫である。蛾や蜂が入ってきて車両内がプチパニックになるというケースもなくはないが、電車の中で見かける虫ランキング一位は「蚊」で決まりだろう。

そんな蚊が朝の電車の中、目の前に現れた。


つまり冬場に現れる季節外れの蚊である。
ただでさえ私ひで氏は自他ともに認めるアンチモスキート派なのだが、冬に飛ぶ蚊というのは言い換えれば「悪条件にも関わらずどこか湿気の多いところで偶然条件が整い湧き育った」イレギュラーな蚊と言ってもいいはずであり、その図太さと生命力の強さを想像するだけで鳥肌が立つ。もしこのような輩に刺されたら普通より痒いはずだと勝手に想像してしまう。

かといって蚊に刺されそうなぐらいで電車の中で派手なパフォーマンスを繰り広げるわけにもいかず、もうホントやめてほしい、と思いながら目の前の蚊の一挙手一投足を見守る。ちょっとでも不穏な動きを見せれば最小限のアクションで振り払うためだ。

その蚊は驚くほど静かにドアに停まっている。

ドアを一枚隔てた向こうには景色が後方にどんどん吸い込まれていくほどにすごいスピードで動いているというのに、そんなことは全く意に介せぬ感じで落ち着き払っているのが余計に不気味だ。

目の前、と言っても私はいつものドア際ポジションをキープしていたため、どちらかというと蚊に対して左サイドに立っている。
本当の正面に立っている男性は、じっと本を読みふけっている。蚊がそこにいることには気づいていないようだ。

次の駅で開く扉は今まさに蚊が停まっているこちら側のドアである。
いくら冷静な蚊でも、ドアが開いたら間違いなく飛ぶであろう。つまり何か手を打つとしてもタイムリミットは次の駅に到着するまでの1分ぐらいの間である。

駅に到着するまでに蚊が飛びったった場合。当然私はその行先を目で追うだろう。
以前、酷似した状況で、前に座っていたスキンヘッドの男性の頭頂部に蚊がゆっくりと停まり、気付かれることなく針を突き立てた瞬間を目撃してしまったことがある。仮に自分に向かって来なかったからと言っても、そのように不愉快な気持ちになることもあるのだから蚊は本当に恐ろしい。

あっという間に電車は減速し駅に到着しようとしている。どうやら動く気はないようだ。

ここまで来ると、ドアが開いたその衝撃をきっかけに飛び立つ可能性が高い。しかし今までの行動からして相当に図太い蚊と思われるため、開いた瞬間ではなく、少しドアがスライドした後、つまり私ひで氏の方に近づきつつこちら向きに飛び立ってくるのではないか。。。とそう推理したころに電車は動きを停めた。

こちらに向かって飛ばせるのは避けたい。そして目の前の男性は未だに全く気付いていない。

その瞬間、頭にある記憶がよみがえった。
この目の前の読書中の男性、少し前にはそこに居なかったはずだ。
つまり前の駅を発車した直後に今のポジションに躍り出てきたのだ。

つまり、彼は今停まったこの駅で降りるための準備として前に出てきていたに違いない。。。!
その降りる彼の動きを利用すれば。。。!

プシューとドアが開く瞬間、私ひで氏は誰にもわからぬよう、自ら蚊にフッと息を吹きかけた。
驚いた蚊は飛び立ったが、そう、蚊は私ひで氏の予想通り、電車を降りる男性の胸に押し出されながら外に持って行かれたのだ。。。!


無血革命。。。!


誰も傷つけることなく俺は無血革命に成功したのだ。。。!


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その数時間後、私は自分の手の甲に軽い痺れを認めた。

見ると甲の一部分が赤く丸く腫れていた。



蚊、そもそも発見する前に咬まれてたみたい。






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