はじめての

ライブの醍醐味をミナミホイールで改めて実感したヒデ氏です。
そんなことを考えているうちに、バンド仲間や音楽好きと話すと必ず辿りつくトピックがふと頭をよぎったので書きます。

「人生で初めて行ったコンサートは？」

幾度となくこの話をしてきたのだが、これが結構人の話を聞いていると面白い。
自分で積極的に行った、が基本ですが、親に連れて行かれたのだがめちゃくちゃ印象的でそれから○○のとりこになった、など思い出はさまざまだ。

私ヒデ氏の場合は完全に洋楽少年だったので、当時の邦楽の話になると全く疎いのだが、自分の場合の初コンサートといえるのはBon JoviのNew Jerseyツアーというベタすぎるものだ。

しかしこれには強烈な印象がある。
なぜならそれは昭和天皇の崩御した昭和64年1月7日、その日だったからだ。
朝からそのニュースは駆け巡っていたが、念のため大阪城ホールへ足を運んだ自分と数名の友達。他にもたくさんの人がいた。

隣接するホテルニューオータニの上階のほうに双眼鏡を向けながら「あー！あれ多分リッチーやわ！」と叫んでいた女性。視力2.0の僕には完全に中華レストランのコックのように見えたがこれも非常にクリアに覚えている。

そして忘れもしないあの瞬間。
黒いスーツを来た男が現れ、「天皇陛下崩御のためコンサートは延期」と書かれた紙を広げ、拡声器でアナウンスした。

その場の大勢から「ああ。。。やっぱり」という溜息が漏れる。

そんな中、ハイヒールを履いた女性が彼の前に歩み寄ったかと思うと、
右手で思い切りその紙を引き裂いた。

中学生で予定という予定などない僕らにとっては、振替日のコンサートに行くことは簡単だった。しかし、きっと彼女にとってはここしかない、ピンポイントな日だったのだろう、と今になって思い返される。

中学生の僕らにとって強烈な旋風を巻き起こしていった「New Jersey」というアルバムを今でも聞くたびに、あの怒りのハイヒールのコツコツという音が聞こえてくるのだ。


皆さんのライブ初体験は、誰ですか。