戦国時代、旧飯山街道(国道292号)の信越国境をおさえる重要な役割りを果たした山城と考えられています。高床山から北東へ伸びる尾根上に築かれ、別名鶏冠城(とさか)城とも呼ばれています。標高347メートルの位置にあった本丸の周囲には、数多くの曲輪、尾根上には連続した壮大な空掘が設けられています。
城の設立や城主は明らかではありませんが、建仁二年(1201年)、越後領主城小太郎資盛が鳥坂山で鎌倉幕府と戦ったと伝えられています。また、鳥坂城と、平氏一族の城氏との関係ははっきりしていません。
頂上本丸跡からの眺望はすばらしく、高床山森林公園の駐車場から徒歩約10分で本丸跡へ行けます。、、、妙高市HPより
場所は新潟県妙高市姫川原
上信越道「中郷IC」下車、国道18号線へ左折し、500m程先の「二本木」交差点を右折。約150m先の県道584号線を左折し片貝川と並行して進みます。川を縫うように橋を渡り、「リスのモニュメント」の看板のところで「高床山森林公園」を目指します。
高床山森林公園
オートキャンプ場のある第三駐車場から分岐して「第四駐車場」を目指します。
看板には書いて無いので、レストハウス前の分岐から未舗装の道を進みます。
突当りに広い「第四駐車場」が現れます。
案内看板脇のロープをくぐり遊歩道を右手に進みます。
遊歩道には桜の苗木が植えられており(個人・団体の記念植樹)、春ともなれば桜並木が楽しめることでしょう。
歩き始めて5分ほどで分岐があります。
案内看板の「城跡平面図」に描かれている「井戸」の辺りです。
ここからが城域で、東側(山腹側)のルートと西側(尾根側)に分かれて本丸に至ります。
往路は東側、復路に西側のルートを選択しました。
ここで当日の行程を縄張り図で示します。
城跡平面図、、、妙高市作成現地説明板より(ブログ管理者加筆)
井戸分岐から東側の山腹ルートを進むこと5分、今度は「東郭」に至る分岐です。
平面図ではかなり広い削平地がが描かれており、その中央には堀切もあるようです。
取りあえず本丸を目指すことにしました。
そこから2〜3分で左手の斜面に堀切発見。西側の尾根を分断し、山腹にあるこちらまで切り込みが続いています。
仮にこれを「大堀切1」とします。(勝手にスミマセン、以下同)
次に現れたのは「大堀切2」案内看板
ここからは東側斜面下段に築かれた「屋敷曲輪」の段郭群に向かう分岐となっています。
深い切れ込みに誘われるように堀底を伝って、尾根の方に登って行きました。
「大堀切2」断面
同、本丸側切岸に設けられた階段
同、ロープを頼りによじ登って行きます
そこで目にした光景とは、、、
本丸に至る尾根を分断する大きな堀切と、左右(東西)の斜面に刻み込まれた空堀
日差しと影が、痩せ尾根をえぐる落とし穴のように見えます。
西側空堀
東側空堀
大きな竪堀の他に枝分かれするように幾筋もの畝状竪堀群が刻み込まれています。
この竪堀地帯を抜けると最後の「大堀切3」が現れます。
パックリと口を広げる裂けめのようです。
同、西側断面
同、東側断面
同堀切と東斜面畝状竪堀群
同
同切岸に設置された階段・ロープ
大堀切2の角度が45度とするなら、こちらは60度はあろうかという急な角度です。
急な階段を登ると穏やかな平坦面が広がります
同、北側より南方向
この看板は外向き、すなわち麓の市内から見えるように設置してあります。
本丸城址碑と土塁
木柱に墨書された「鳥坂城址」
本丸からは絶景が望めます
北方向、妙高市内と遥か上越・日本海までの眺望
西には妙高の雄姿
本丸直下の郭
二の丸
本丸切岸と二の丸土塁
虎口でしょうか、えぐり取られたような掘り込みと土塁
二の丸直下の曲輪
三の丸
北方向段郭が連なる
南方向
三の丸、縦にえぐれたところは、掘りなのか、虎口なのか??
三の丸東斜面、切岸
同、土塁
三の丸南端
土塁をよじ登ってみるとその先は「大堀切3」でした。
同、西側斜面は二の丸切岸
三の丸は、上段の「二の丸」さらにその上段の「本丸」を守る最前線という位置づけからか、防衛手段が手厚いようです。
ここで折り返しです。
復路は堀切から
「南郭」を通る尾根コースです。
堀切
南郭の削平地跡に建つ祠
南郭大堀切
同、西側断面
同、南郭側切岸
同東側断面
同堀切の東側端はL字に北に折れ、削平地となっている。
この辺りは曲輪だったのかもしれません。
同、南側切岸
尾根が下っているため段差も緩やか
南尾根をゆったりと進みます
すぐに、往路で分かれた井戸付近の分岐に至ります。
これでぐるっと一回りしたことになります。
あとは桜の植樹がある散策路を第四駐車場に向けてのんびり行くだけです。
高床山森林公園はほぼ山の頂上付近にあって、第四駐車場からは尾根伝いに城址に向かいます。急激なアップダウンや足場の悪い登山道、藪もないハイキングコースです。
ただ、分岐の先にある「東郭」や二の丸の先にある尾根上の遺構、さらに三の丸下の「屋敷曲輪群」などはスルーしてしまっていたことに気が付きました。
夏場でも整備された山城は、地元の保存会の皆さんによる下草刈りのおかげと感謝しています。またここを紹介してくださったフォロワーさんにも感謝です。
【鳥坂城】
《とりさかじょう》
(新潟県胎内市の鳥坂城(とっさかじょう)とは別の城
名称(別名);高城,鶏坂城
所在地;新潟県妙高市姫川原
城地種類;山城
標高/比高;350m/200m
築城年代;不明(鎌倉時代?)
廃城年代;
築城者;平維茂か?
主な改修者;桃井左京(上杉氏)
主な城主;桃井左京(上杉氏)
文化財区分;市指定史跡
主な遺構;土塁,郭,堀,井戸
近年の主な復元等;
地図;
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