「ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える」(2011年 米 )
監督 トッド・フィリップス
笑わせるハチャメチャ振りだがやはり二番煎じ
前作「ハングオーバー! 消えた花婿と史上最悪の二日酔い」の面々が、今回はステュ(エド・ヘルムズ)の結婚式のために新婦の故郷タイへとやって来て、前作同様の二日酔い騒ぎを繰り広げる。二日酔いで記憶を無くして汚いホテルで目覚めたステュ、フィル(ブラッドリー・クーパー)、アラン(ザック・ガリフィナーキス)が、今度は新婦の16歳の弟、テディを探し回るという設定。
意表をつく設定で細部まで良く練られた脚本による傑作である前作で大いに笑った者は、この続編も見ることになるのだが、どう考えても二番煎じになるざるを得ないのではないか、という予感は的中した。前作は上質なミステリーのように馬鹿馬鹿しくも論理的に謎(自分たちが何を行ったか)が解明されていた。今回もテディを捜すために、残されたわずかな手掛かりを元に、自分たちが行った馬鹿騒ぎを暴きだしていくのだが、そのハチャメチャ振りは決して前作に劣らないにも関わらず、全て予定調和的な気分が付きまとってしまう。ミステリーで同じ手は使えないという点で、この作品のミステリー的部分が犠牲になっているわけだ。それを補うために、派手なカーチェイスや異国趣味を持ち込んでいるのたが、やはりそれらは付け足しに過ぎない。
とはいえ、目的のためにいやいやながら暴き出す事実が、記憶に無い自分たちのハチャメチャ振りであるという設定で描かれる、馬鹿馬鹿しさや下品な下ネタにはやはり笑わされる。今回のエンドロールでは、テディが指を失くした原因が表されている写真に最も笑った。
総合評価 ③ [ 評価基準:(⑥まれにみる大傑作)⑤傑作 ④かなり面白い ③十分観られる ②観ても良いがあまり面白くはない ①金返せ (0論外。物投げろ)]