あんだんて・かんた~びれな日々

生きることは面白い、思いがけない人生の旅路 DANとKEIとの日常記録です

蔵出し一枚

come off

2020年10月18日 | Kei's ポエム “風のアダージョ”
醒めやらぬ記憶
あの向こう側にいったい
何を見ていたのだろう
流れゆく時刻(とき)のなかに
無造作に塗り込めたりはしたくない
過去という窯で燻された細胞が
剥がれ落ちていくとき
ほんの数分間 
強烈にあなたを感じた
決別の瞬間




もうひとつの時計

2020年10月18日 | Kei's ポエム “風のアダージョ”


幼いころ、朝目覚めると

祖父の大きな手がわたしをさする

”朝だよ、伸び伸びー、大きくなーれ、ノビノビー”

御まじないをかけられたわたしは、元気で大きくなった

そんな祖父は、わたしが大学生の時に逝った

どこに行くにもわたしを連れて歩いていた祖母も、その後逝った

そして、大切な人たちが

まわる 

まわる 

まわる

不思議な時間軸のなかで

まわっている

きっとわたしも

秋と女心

2020年10月17日 | Kei's ポエム “風のアダージョ”
何だろう何かが
くぐもる胸いっぱいに
遠く近く揺れている
身体のどこかでは
風が吹いているような
そんなあてもない
午後なのだけれど
弛緩した週末の
釣瓶落としの秋の日の
ざわめく空気
なんといじらしき




ある秋の日に

2020年10月15日 | Kei's ポエム “風のアダージョ”
肩肘張ってるその心がわかるから
何も言わない
崩れまいと
心の脆さと闘っているのがわかるから
何も言わない 
けれどいつしか
雲は流れ時はゆく
今は悲しみのつるべを落とすとき
影が夕闇へ融けるように
朝には朝の風が吹くように
心をほどき
少しだけ顔を上げ
少しだけ胸を張ろう
つるべ落としの秋の日に 




秋の光の中で

2020年10月01日 | Kei's ポエム “風のアダージョ”
時に心弱く
時に目的を見失い
心が軋みそうな日もあるけれど
日めくりをめくるように
いつの間にか
心のページが新しくなる
胸に編み込もう
こうして過ぎていく今を
穏やかな時の流れを
秋の光のその中で





愛の所在

2020年09月28日 | Kei's ポエム “風のアダージョ”
アドレスの無い恋は
いつか何かがざわついてくる
愛をしまう場所なんて
どこにもありはしないのに
確かな約束を人は求めたがるけど
変わりゆくものを手繰り寄せても
詮無いこと
そこにあなたがいるから
愛さずにはいられない
ただ それだけなの



乳色の里

2020年09月25日 | Kei's ポエム “風のアダージョ”
やわらかに霞む
秋の真先を
風が撫でていく
童子の産毛を慈しむように
慈愛深くわたしは謳う
乳色の季の中で




2%の心模様

2020年09月25日 | Kei's ポエム “風のアダージョ”
ふくよかに香るダージリン
BGMは”愛の夢”
秋の陽だまり洒落た午後
だけどなんとなく
なんとなく切なくて
心2%のブルージー
消せない陽炎儚くて
夕暮れまで揺らめいて




天気予報

2020年09月16日 | Kei's ポエム “風のアダージョ”
哀しい嘘をついた夜

胸の水たまりで

泳げないウソが溺れてる

”明日は、晴れ”と

深夜テレビが繰り返す

わたしの水たまりも晴れるかな




茜空

2020年09月16日 | Kei's ポエム “風のアダージョ”
 小雨が上がり突然の茜空
 サンダルつっかけ空を仰ぐ
 なんて美しい
 庭土はしっとりとふくよかに
 草花は雫をだいて耀いて
 この瑞々しさ
 この溢れるいのちを
 明日へと繋ぎ
 ちからとなれ




白いシーツ

2020年09月10日 | Kei's ポエム “風のアダージョ”
真っ白なシーツに昼間の山里の
土くれの匂いがこもっている
さだまらない天気のせいだろうか
手持無沙汰なひとりの時間
遠い記憶が篝火のように
あのベランダで眺めていた都会の灯が
こころに揺れて
戻れないあの頃が愛おしい
もどかしい長雨の
夜のセンチメンタル




夕暮れてそしてkiss

2020年08月29日 | Kei's ポエム “風のアダージョ”
不意にどこかに行きたくなって

そんな衝動

星占いには時間が早く

メロウな唄で紛らわしてる

自分を守るすべは知ってるけど

つかまえていてほしいから

夕暮れてそしてkissを

夏の終わりの夕べはロンサム

そのkissをもういちど




晩夏の熱

2020年08月28日 | Kei's ポエム “風のアダージョ”
言葉なんて無意味だったあの夏
水平線を泳ぐ羊の雲を追いながら
わたしは物語を編んでいた
素足に纏わりつく砂
さらわれそうな波
寄せる波濤が
見つめるわたしを誘っていた
言葉なんて無意味だったあの夏の
過ぎし情熱がめくるめく




デジャヴ

2020年08月26日 | Kei's ポエム “風のアダージョ”
今のふたりは見つめ合うのは照れくさく
愛の言葉もおどけて言いあうだけ
馴染むように時間が経って
いらなげにあなたがくれたのは
その中に隠れていた夏の夕暮れ
汗が混じった髪の毛は
あの頃の夏草の匂いがして
あぁ そのものの夏だった
あなたといるというそのことが




哀しみ

2020年08月20日 | Kei's ポエム “風のアダージョ”
容赦のない強い日差しに曝されて
目を瞑り避けていたいのに心の葛藤が
海波のように寄せては返す
考えても詮無いのだから考えるのはよそう
今更どうしようもない
けれど…
心が泣く
歩んできた運命
夏の日差しに曝されて哀しみがぬるく浮遊する 
 



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